名古屋大学工学部・大学院工学研究科 2025
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長谷川研究室(情報・通信工学専攻)所属久野 拓真新規開発した高温超伝導体を用いた整流素子海馬のマイクロ・ナノスケールの構造イメージ▲光ノード開発に加え、信号処理のアルゴリズムだけで信号の 伝達距離を伸ばす、省エネにつながる技術も研究しています。▲国際学会のbest student paper awardなどを受賞。海外の 研究者も私の研究に興味を示してくれたのは、うれしい経験でした。開発したロボット(MetaPo)学部1〜3年次/名大に待っていたのは、各地から集まる多彩な考え方の友人に触発される環境。おかげで「自分には人一倍の努力が必要」と危機感を持って勉強に打ち込み、飛行ロボットサークルNAVIXの活動にも前向きに取り組めました。サークルでは繊細な軽量飛行機を設計・製作して飛ばすのですが、大会への移動途中で破損した悔しい年も。代表を務めた3年次には後輩の技術教育カリキュラムを作成し、勉強会を開いてレベルアップに努めた結果、翌年の大会で決勝リーグ進出を果たしました。学部4年次〜大学院/入学前から、新たな価値を創造できそうな情報通信に関心がありました。現在は、通信データを行き先ごとに振り分けるスイッチ「光ノード」を研究しています。複数の波長の信号を1本の光ファイバで伝送するという、信号の制御が複雑な現在のネットワークにおいて、低消費電力・低コストで信号の行き先を制御できる方式を提案。4 K 映像を6000万人に同時配信できる2.15Pbpsもの性能を実現し、世界記録を更新しました。オンライン開催だったものの、先輩たちのように念願の国際学会でも発表。ノーベル賞受賞者も輩出した名大の、世界有数の研究設備にも恵まれ、学外からも評価される成果を出せたことが、博士課程でさらに研究を深める決意につながりました。18キャンパスライフストーリー わたしの6年間入学前から関心のあった情報通信分野。期待の新技術で、世界記録を更新。極低温での整流を可能にする超伝導整流素子超伝導体はゼロ抵抗で送電できるので、次世代の省エネルギー技術として期待されています。本研究室では、基本的な電気素子として、-200℃以下の極低温で超省エネ整流を実現する超伝導素子を開発しています。ナノイメージング技術をDIYで開発ウィルスの取り込みや、記憶と密接に関係するシナプスの形成など、未解明の生命現象を明らかにするには、非常に高い空間分解能で生細胞を観察する必要があります。そのため、独自の装置やプログラム開発を進め、世界最高解像度でダイナミックな細胞の動きを可視化しています。物理空間と仮想空間をつなぐグループテレプレゼンスロボット360度カメラ、球体ディスプレイ、ロボットハンド、自動運転技術等を組み合わせた新たなロボットを開発し、没入感と共体験を拡張したコミュニケーションを実現。多様な現実をつなぐ新たなメディアとしての活用が期待されます。ここがスゴイ! 電気電子情報工学科

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