名古屋大学工学部・大学院工学研究科 2025
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杵淵研究室(航空宇宙工学専攻)所属三木 佑真▲パイプ内の真空エリアと大気圧エリアを隔てるバルブを開き、 マッハ2.5の超音速の気流をつくり出して観察します。▲人力飛行機サークル「AirCraft」で鳥人間コンテスト出場を 目指し、4年次の2021年に出場を果たしました。超音速ジェットの超解像計測のイメージ図学部1〜3年次/入学後に驚いたのは、様々な種類のサークル/部活があったことです。私はその中で鳥人間コンテストを目指す人力飛行機サークルを選択しました。その理由は、大学生の時しかできないことに挑戦したいと思ったからです。2〜3年次には「飛行する様子を見た人に驚きを与える機体を製作したい」という思いから、新型形状の機体の設計開発に挑戦。紆余曲折がありながらも、大会で機体を飛ばすことに成功し観客席を沸かせました。またサークル代表も務め、プロジェクトを進める大変さとやりがいを感じることができました。学部4年次〜大学院/私の研究は衝撃波/境界層干渉(Shock Wave/Boundary Layer Interaction; SWBLI)と呼ばれる現象に関する研究です。SWBLIは音速付近以上で飛行する航空宇宙機(ロケット、超音速旅客機など)にとって重要な現象です。特に超音速機のジェットエンジンの空気取り入れ口ではSWBLIによる損失が大きな問題となり得ます。そこで、私の研究では2つの方法でSWBLIによる損失抑制を目的としています。機体壁面で放電させる方法と、燃料である液体水素(-253度)を冷媒に用いた壁面冷却による方法です。数値計算やシュリーレン可視化実験などを行いながら実験を進めます。壁面冷却時の可視化実験は前例がなく、学会で賞を頂きました。博士後期課程への進学後は、今の研究を発展させた次世代の航空宇宙機に必要な基礎研究に取り組みたい。航空宇宙分野の研究が盛んな名大で、入学前には思ってもいなかった道へ進みます。22キャンパスライフストーリー わたしの6年間人力飛行機を設計し、超音速機を研究。名大だから探求できた航空宇宙の世界。AI搭載システムの統計的品質保証自動運転システムなどにおいてAIの活用が進んでいます。AIシステムを実世界で利用するには品質保証が不可欠です。AIシステムの品質保証のための新たな理論構築と方法開発を目指して研究を進めています。ナノ複合現実ディスプレイで分子を操る分子に複合現実を呈示する「バーチャル電極ディスプレイ」は、生体分子とコンピュータをリアルタイムにつなぎ、生命現象の根源である生体分子に情報を書き込み、ナノマシンのように自在に動かすことができます。超音速流れの時空間超解像計測データ駆動科学を利用した時空間超解像計測技術により、これまでの機器では計測できなかった200 kHzでの流体現象の最構成を世界で初めて実現しました。本技術により超高速流体現象の理解を深め、次世代の航空宇宙機の開発につなげる研究を進めています。ここがスゴイ! 機械・航空宇宙工学科

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