▲総合エネルギー工学専攻 岡本 敦 准教授フュージョンエネルギー実現に向け、核融合炉の周辺領域では温度1万度−100万度のプラズマを気体に戻すこと(再結合)が重要となっています。特にプラズマの密度が低く反応が起きにくい条件でも再結合させることが課題でした。当研究グループでは低密度のプラズマを再現性よく生成することに成功しました。これにより、従来よりも低密度のプラズマに対して単原子分子(原子)を衝突させることで、光の放射によりプラズマの温度を下げ、プラズマを気体に戻すことができることを、実験により初めて明らかにしました。▲材料デザイン工学専攻 入山 恭寿 教授マテリアル工学科は、理論や先端計測をもとにマテリアルを設計する材料デザイン工学専攻、先端のプロセス技術をもとにマテリアルを作り出していく物質プロセス工学専攻、低炭素循環社会を実現していく化学システム工学専攻が密接に連携する学科です。材料デザイン工学専攻の入山恭寿教授は、次世代の酸化物固体電解質を用いた高安全・長寿命な酸化物型固体電池の開発に取り組んでいます(JST GteX 革新的GX技術創出事業)。具体的には、定置用等の中小型用途に向けた「焼結型」、車載用等の大型用途に向けた「非焼結型」、次世代に向けた「高エネルギー密度型」電池の開発を行っています。固体電池基礎・複合電解質・デバイス化の3グループが若手育成・学生交流などを行いながら強固に連携して研究を推進しています。多様な学術の融合と国際連携を通じた目的型基礎研究を行い、酸化物型固体電池の早期実用化への基礎基盤を確立します。▲環境学研究科 都市環境学専攻/ 工学部 環境土木・建築学科 白木 裕斗 准教授わが国でも2050年に温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル;CN)を目指すことが宣言されました。CNを実現する社会では、どのような技術が用いられ、どのような生活が営まれているのでしょうか?都市環境学専攻の白木研究室では、数理モデルを用いたシミュレーション分析により、電力システムのCN化にはどの程度の再生可能エネルギーが必要か、自治体単位でCNを実現するにはどのような技術や行動変容が必要か、などを定量的に推計しています。▲航空宇宙工学専攻 原 進 教授 椿野 大輔 准教授次の感染症流行時に実験教育を維持できるように、遠隔地どうしをインターネットで結び、教員一名でも全体の安全を確保しながら一体的に実験授業が進められるシステムを当研究グループは開発しました。要となるのは複数のドローンや人工衛星を効率よく運用するために研究されてきた階層化最適制御技術です。2023年11月21日に50km離れた名古屋大学と岐阜大学を結んだ倒立振子(ほうき立て)制御の実験授業に初めて成功しました。両大学で110名が参加し、制御工学への関心が高まったなど好評で、新聞にも掲載されました。可視光通信信号の移動受信の概要名大の振子と映像の岐大の振子が同じ動き!再結合に伴うスペクトルとその圧力依存性第25回まちとすまいの集い「まちづくりとひとづくり Part 2―名大建築60年」電力システムモデルの概要。Shiraki et al. (2016) Journal of Cleaner Production2高安全・長寿命な酸化物型固体電池の開発世界初の可視光通信信号の移動受信に成功▲情報・通信工学専攻 山里 敬也 教授広く普及しているカメラにはローリングシャッタ方式イメージセンサが搭載されていますが、移動する車輌での可視光通信信号の受信は困難とされていました。山里敬也教授らは伝送方式と受信アルゴリズムを工夫することで、世界で初めて走行する車輌に搭載されたローリングシャッタ方式イメージセンサを用いて可視光通信信号の受信に成功しました。この成果は光無線分野のトップジャーナルであるIEEE Photonics Journal誌に掲載されました(doi:10.1109/JPHOT.2023.3287211)。名大と岐大で同じ実験授業を一緒に実施プラズマを光らせて、冷やして、気体に戻すカーボンニュートラル社会を具体化する第25回まちとすまいの集い「まちづくりとひとづくり パート2―名大建築60年」▲環境学研究科 都市環境学専攻/ 工学部 環境土木・建築学科 小松 尚 教授1999年秋から名大「まちとすまい」の夕べとして開始した一般市民向けの公開講座は、時流に合った話題を紡ぎ出しながら継続され、建築学科創設60周年となる2023年は、第25回まちとすまいの集い「まちづくりとひとづくりPart 2−名大建築60年」と題して、11月4日にフィールドセミナーと講演座談会が開催されました。講演座談会では、名大建築で学んだ卒業生が、社会の第一線で活躍する姿や今までに携わった建築作品・街並み等を紹介することで、会場の野依記念学術交流館に集まり、またオンラインで参加した多くの方に名大建築の魅力を伝えました。
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