名古屋大学工学部・大学院工学研究科 2025
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村上研究室(生命分子工学専攻)所属坂井 聖晟細胞や生体内では数多くの分子が協調して多様な機能を示します。私達は化学の力を活用し、分子の動きを見てその働きを操ることにより、細胞や生体内での分子の機能の理解と病気の治療に役立つ研究を進めています。▲最近では、研究室内で使用する有用なタンパク質を増殖させる、 新たな実験システムの開発にも取り組んでいます。▲2024年4月に名古屋大学で開催された国際会議でポスター発表。 修了までにさらなる学会発表を狙っています。学部1〜3年次/幼少期の昆虫採集がきっかけで、生物や生命、さらには疾病に関心を持つようになり、将来は新薬創出に携わりたいと考えてこの学科を選びました。専門科目の中でも細胞生物学系の知識や免疫シグナルなどを扱う「生化学Ⅰ〜Ⅴ」を、特に興味深く学習。2年次に村上研究室が、世界でいち早く新型コロナウィルスの中和抗体作製に成功したニュースを耳にすると、何としてでも優先配属を勝ち取りたいと、ますます勉強に励みました。学科の学び以外では、テニスサークルや名大祭実行委員、塾講師のアルバイト、Web開発のインターンシップなどにも積極的に挑戦しました。学部4年次〜大学院/「進化分子工学」と呼ばれる、10兆種類もの分子ライブラリから目的のタンパク質を選択する手法で、人工抗体の創製に取り組んでいます。他大学と共同で、免疫細胞の一種NK細胞を大量に増殖させる抗体や、ガンや自己免疫疾患のリスク因子となるタンパク質と結合して検出に役立つ抗体を創製。条件を変えて100通りも試す苦労を乗り越え、豊富な知見と技術が身につきました。修了後は医薬品メーカーで、新薬に使えるタンパク質を創製し、疾患の治療に貢献するのが目標。潤沢な研究費でやりたい研究を叶えてくれる名大の環境の中で、初心を貫き突き進んでいます。6キャンパスライフストーリー わたしの6年間病気の治療に、創薬で貢献したい!その決意を貫いて研究に打ち込む。ラダー高分子:構造と機能のデザイン革命高分子は生活用品から先端材料まで幅広く利用されています。私たちは、合成高分子の立体構造を自在に操る独自の技術を確立し、計算科学との融合による分離認識、情報、運動等の機能開発で世界をリードしています。ガスを資源化するナノ空間物質の開発どこにでもある気体を資源として活用する未来技術の実現を目指し、酸素や二酸化炭素ガスなど、様々な気体の分離・回収を可能にする、ナノメートルサイズの孔を持つ「ナノ空間物質」の研究開発を行っています。化学の力で細胞や生体内の分子を見る・操るここがスゴイ! 化学生命工学科

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