名古屋大学 農学部案内 2025
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大学院生命農学研究科博士後期課程 1年 植物生産科学専攻17頭と体を動かして研究に熱中する祖父が林業従事者であったことから植物や環境問題に興味を持ち、生物環境科学科に入学しました。学部では、森林を中心として、環境学や生態学、さらには材料力学やバイオマス科学まで、生物、物理、化学に関する幅広い内容を学ぶことができました。さらに3年時には実験実習があり、試薬を扱う化学実験や演習林での植生調査は他の学生と協力し、頭と体を動かして学べるとても楽しいものでした。また、学部4年時には研究室への配属があります。私は、研究室を訪問した際に、土壌を中心とした海や大気への物質循環や土壌の肥沃度の違いによる植物の生育効果に興味を持ち土壌圏物質循環学研究室に入りました。現在は、土壌への炭素の蓄積と植物の生育に対するバイオ炭の施用効果に関する研究を行っています。植物を生育することや、土壌から植物への元素の循環を調べることは難しさもありますが、地球温暖化の抑制や農業分野の発展に直結するやりがいのある研究だと感じています。皆さんも農学部に入り、社会や人の役に立つ研究に熱中してみませんか。世界の幅を広げる微生物を用いたバイオテクノロジーに興味があり、農学部応用生命科学科に入学しました。幸いなことに、学部4年生時に微生物を扱っている研究室に配属されることになり、今では光合成を行う微生物である「シアノバクテリア」が細胞外に分泌する「細胞外小胞」と呼ばれる小胞について研究を行なっています。研究はトライ&エラーの繰り返しです。すごく簡単なミス、どうしても原因がわからない失敗をたくさんします。それでも、その失敗を糧にし、諦めずに研究を遂行し続けることで世界の誰も知らなかったこと・できなかったことを自分が世界で初めて解明・発明する瞬間が訪れます。この瞬間の嬉しさは何事にも変え難いものです。また研究は様々な人と出会うことで思わぬ方向に進んでいく時があります。しかしながら、往々にしてそういった研究が非常に意義のあるものになるのです。面白い研究・幅広い知識を持っている人がたくさんいる名古屋大学農学部は素晴らしい環境だと思います。みなさんも農学部に入って世界の幅を広げてみませんか。木俣 朱理さん大学院生命農学研究科博士前期課程 2年森林・環境資源科学専攻臼井 健太朗さん大学院生命農学研究科博士後期課程 2年応用生命科学専攻卵の■を解き明かし、新たな価値を発見する祖父母が営んでいた農業を手伝っていたことから食料生産に興味を持ち、資源生物科学科に入学しました。学部では、動物や植物について、集団、個体、分子、遺伝子など幅広いレベルで学ぶことができました。さらに実験実習も多く、様々な試薬に囲まれて行う実験から、農業生産の現場訪問、さらには農場実習など多岐に渡り、とても楽しいものでした。学部4年次には研究室への配属があります。私は研究室を訪れた際、鳥の卵が食用としての利用以外に、ワクチンや抗体医薬品の生産など幅広い利用価値を持つ可能性について知り、興味を持ちました。そして畜産物の食用以外の利用価値を発見したいと考え、動物栄養科学研究室に入りました。現在は、鳥類の血液に多く含まれている「抗体」がどのように卵へ輸送されているのか、その機構の解明を目指して研究を行っています。皆さんも農学部で数年間、もしくは生涯熱中する何かを見つけてみませんか。好奇心に従って探求する幼少の頃より植物をはじめ、魚やカニなど目につく全ての生き物を探究したいと思いながら過ごしてきました。進路選択の際、基礎的な知識を持たない今の自分では学びたい分野を絞ることができないと考え、生物について幅広く学ぶことができる資源生物科学科へ進学しました。学部では哺乳類、魚類、昆虫、植物や微生物について学び、中でも植物病原菌が植物に感染を試みる際の分子メカニズムの巧みさとその多様性に強く惹かれ、植物病理学を志すようになりました。現在は植物病理学研究室に所属し、一部の植物病原菌がもつ、極めて幅広い植物種に感染する能力「多犯性」の詳細なメカニズムの解明を目標として研究しています。農学部では分子生物学から経済学まで、実に多様なアプローチを通して世界の食糧問題の解決に取り組んでいます。これまでの経験から、様々な専門を持つ人が身近にいて、異なる視点からの意見をもらう機会も多いことが「自由闊達な研究」を醸成しているように感じています。皆さんも興味の幅を限定しない豊かな環境で自由に学問を楽しんでみませんか。岡本 真由子さん大学院生命農学研究科博士後期課程 2年動物科学専攻■田 晃さん学生からのメッセージMESSAGE

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