名古屋大学 理学部 2026
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創れ、挑め、楽しめ 理学は謎に満ちている「化学の眼」で高純度なmRNAをつくる表紙の写真 化学科 新型コロナウイルスのワクチン開発を皮切りに、mRNAを医薬品として利用する研究が活発になっています。その中で課題となっているのが、mRNA製造時に生じる不純物です。この不純物は副作用を誘発するため、完全に除去する必要があります。しかし、不純物はmRNAとの性質が似通っており、これまで分離が困難とされてきました。この課題の解決策として、mRNAの合成材料の一つを「疎水性タグ」が導入されたものに置き換える手法が編み出されました。この「疎水性タグ」は親水性であるmRNA合成材料と性質が大きく異なるため、標的とするmRNAを不純物から容易に分離できるようになりました。このように、生体分子においても物質の性質を見極める「化学の眼」が、今、重要とされています。〒464-8602 名古屋市千種区不老町TEL.052-789-2401FAX.052-788-6249問い合わせ先/教務学生係https://www.sci.nagoya-u.ac.jp/名大理学の世界をもっと深く̶理philosophia online理学部

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