13 医学部総合医学教育センターは、医学部学生(医師の卒前)教育、病院附属の卒後臨床研修・キャリア形成支援センター(略称:卒キャリセンター)は、医師、歯科医師の卒後臨床研修を担当しています。初期臨床研修医師・歯科医師と、各科に配属されて研修医や学生の指導を行う教育専任教員は卒キャリセンターに所属しています。また、看護師の卒後教育を支援する部門(看護キャリア支援室)も卒キャリセンターに含まれています。両センターは一体的に運営され、卒前・卒後のシームレスな医学教育をめざしています。 狭義にはVR(XR)技術の医療分野応用を研究、実践する施設ですが、医工・産学連携の拠点のひとつであるため、より広い内容を包含しています。従前からの医療スタッフ診療スキル・トレーニング施設としての機能も継承しています。 現代の医療技術開発のポリシーとして、患者安全、サステナビリティ、デジタルエシクスなどが重要ですが、私達はこれを現代版「真・善・美」ととらえています。これらは密接に関連していますが、VRセンターである当センターが直接に関与するテーマは「美」と考え、メディカル・デザイン&アートに先駆者として取り組んでいます。 このようなポリシーに基づき、全体を「医工学デザイン・ミュージアム」というコンセプトで、リアルとサイバー両面に展開してきました。当センターの顔とも言える手術機器ギャラリーは、既にフィジカル/デジタルの重層空間ですが、第2センターとして整備しているサイバー空間のメタバースxRセンター(MxR-M+)も、医工学研究、交流の場や、医療スタッフの教育の場としての実用に資するように研究・開発を進めています。 動物福祉の観点から適正で、かつ科 学 的に評 価される再 現 性の高い動物実験が実施できるよう、動物の飼 育 環 境を適 正かつ厳 密に統 御するよう努めています。更に、近年必要とされることが多いマウス初期胚の凍 結 保 存や遺 伝 子 改 変マウスの作製などの 研 究 支 援 業 務にも力を入れています。 医学・医療の進歩に伴い細分化した現在の医療環境の中で、総合診療科は総合的に医療に取り組む部門として教育・診療・研究・社会的貢献の各領域で重要な役割を担っています。子ども〜高齢者まで、身体の健康だけではなく心の健康、社会的環境にまで目を配る総合診療医は、一つのʻ専門医ʼとして注目されています。総合診療科は、病院で活躍する病院総合診療医から地域で活躍する家 庭 医まで、総 合 診 療 医の活 動 拠 点となっています。関心のある人は是非一度おたずね下さい。 医療ミスや医療事故、医療には大きな危険が伴います。患者安全推進部では医療現場に潜む危険を丁寧に拾い上げ、患者さんの安全を守るために様々な活動をしています。 どんなに医学が発展しても、患者安全の取り組みが弱ければ、患者さんに納得できる医療を届けることはできません。高度な医療をいかに安全に提供するかは、新しい時代のキーワードです。名大病院には国内最高レベルの患者安全体制があります。 国立大学附置研究所・センター会議に属する研究所で、2研究部門(8分野)、センター及び産学協同研究所で構成されており、人体の恒常性維持機構やその破綻による疾患の発症メカニズムなどに関する基礎医学研究や橋渡し研究に取り組んでいます。ストレス受容・応答研究部門に属する神経系分野(分子神経科学)はシナプスの可塑性、病態神経科学分野(病態神経科学)は神経変性疾患、システム神経薬理学分野(システム神経薬理学)は情動行動における神経メカニズム、分子代謝医学分野(免疫代謝学)は生活習慣病について研究しています。生体適応・防御研究部門に属する疾患制御学分野(疾患制御学)は線維化関連疾患、発生・遺伝分野(人類遺伝学)は疾患ゲノム、内分泌代謝分野(内分 泌 代 謝 学 )で は 糖 尿 病 、ゲノム 動 態 制 御 分 野( 分 子 機 能 薬 学 )で は D N A 修 復 機 構 に つ い て 研 究 してい ま す。MIRAIC―未来の医学研究センターは、未来志向の医学系連携研究を推進するとともに、動物実験施設や共同利用機器を管理・運営し、研究所の理念に則した研究をサポートしています。ラクオリア創薬産学協同研究所は学内協同研究を通じて研究成果に基づいた創薬を目指しています。 先端医療開発部は、先端医療・臨床研究支援センターとデータセンターの2センターで構成されています。学内においては名古屋大学の医学系研究の叡智を結集してシーズの研究・開発から保険診療まで一気通貫的に先端医療開発を後押ししています。また、学外においては中部11大学と3センターからなる中部先端医療開発円環コンソーシアムを組織し、他大学・他センターとの連携を強化しています。ここには先端医療開発に関連した200を超えるシーズがあり、次世代医療の開発とそれに関わる人材の育成に努めています。 医療の進歩に伴い、患者さんが様々な疾患やその治療のために、感染症を引き起こすリスクも高くなっています。一方、感染症は「うつる」という特性があり、適切な治療と感染対策が実施されないと周囲に伝播してしまう恐れがあります。私達は、医師・看護師・薬剤師・検査技師・事務員などの様々な職種のメンバーからなる院内感染制御チームで、診療科横断的な感染対策と感染症診療支援活動を通じて、病院内感染症の制御を行っています。院内の新型コロナ対策も当部で立案しています。 名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部は、消化器内科の全面的な協力体制のもと、最新の内視鏡および超音波を用いて、多くの臓器を含む消化器領域(食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆道、膵臓)の各専門医が、精密な診断や早期癌に対する内視鏡治療など、先進的な医療を提供しています。 疾病や外傷による障害は様々なものがあります。しかし、その障害があっても、できることを達成することが重要です。このような障害を持つ方々の生活や生き方を医学的な方法論を駆使し、多職種の共同作業によってさまざまな側面から支えるのがリハビリテーションの役割です。当科では、各種疾患の急性期リハビリテーションを行って在宅移行や回復期リハビリテーションへの円滑な移行をすすめています。また、重症疾患や高度の手術などでも治療成績を上げるために積極的なリハビリテーション介入を行っています。 現在の医療は、多くの医療機器がデジタル化・コンピュータ制御され、それらからもたらされる豊富なデータと有機的に結びつく形で行われています。医療Big DataからAIが治療予測をしたり、電子カルテのサポートをする世界も夢物語ではなくなりつつあり、それゆえ、正確なデータやシステムが、医療安全の面からも病院業務・運営の面からも重要となってきています。当部署では、AI 、IoT、ロボット技術など最先端の医療システム開発と、質の高い医療データの解析から、医療の現場に最先端技術の恩恵をフィードバックすることを目指し、日本の医療ITをリードし、次世代医療をいち早く形作ることに取り組んでいます。環境医学研究所医学教育研究支援センター■ 総合診療科■ 総合医学教育センター・卒後臨床研修・ キャリア形成支援センター■ メディカルxRセンター■ 患者安全推進部■ 実験動物部門■ 先端医療開発部■ 中央感染制御部■ 光学医療診療部■ リハビリテーション科■ メディカルITセンター研 究 施 設・研 究 所
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