さらに、いつもと異なる環境で、いつもと異なる病気を見ることで、普段得られない知識と成長を感じました。日本でほとんど見たことのない血液疾患を持つ小さな患者さんを実習中に数十人会いました。病気についての知識をはじめから勉強しながら、毎日の診察に挑むことが、地道ではありますが、非常に大きい収穫になったと思います。 交換留学は、自分が持つすべての力を振り絞って、コミュニケーションとディスカッションを全うし、自分を鍛えることに非常に貴重な機会だと思います。相手に自分を思うことを伝え、相手のフィードバックを理解する、ごく普通なことが異国の地では大変困難になります。しかし、それを経験し、乗り越えることで、自分の成長につながります。そして、この機会をぜひ、皆さんにもつかんでほしいと思います。18 | Nagoya University School of Medicine 私 はアメリカボ ル チモア 市 にあるジョンズホプキンス大学小児病院血液内科で計4週間実習させていただきました。小児科レジデントとフェローの先生と一緒に毎日朝から回診を行い、自分の担当患者を診察し、治療方針を議論したり、午後に外来を見学・問診をしたりしていました。たくさんの方とコミュニケーションすることで、まず、自分の英語力を上げながら、専門用語や医学的な表現を学ぶこともできました。 私はルートヴィヒ・マクシミリアン大 学ミュンヘン( 通 称ミュンヘン大学 )の神 経 内 科で6週 間ローテートし ま し た 。午 前 中 は 病 棟 業 務 やJournal Club、正午には放射線科との合同カンファ、午後は講義やCase Discussionと充実しており、熱心な指導医や優秀な現地の医学生に囲まれながら医療チームの一員として幅広い内容を学べます。疾患群ごとに細分化されている病棟・外来のほかに、バイエルン州に多数点在する研究施設など、診療・教育・研究のどれをとっても高水準です。 ミュンヘン大学では派遣プログラム内外問わず留学生を受け入れており、国際色が非常に豊かです。特に所定の派遣プログラムではドイツ南部の観光が週末に予定されており、学生同士で親睦を深められます。歓迎会や送別会の他に、各自持ち寄りのホームパーティーや市内散策などプライベートの側面でも充実した時間を過ごすことができました。 留学には語学面の不安が付きものですが、トライするなら時間に余裕のある学生時代が最適です。興味がある方は挑戦してみてください。の医療の違いについて学ぶ貴重な機会を得ました。 滞 在 中は、名 大 生が 毎 年お世 話になっているホストファミリーのFr e dとJennyのもとで快適に過ごし、休日には野球観戦や川のボランティア活動、犬の散歩などを楽しみながら、ダーラムの自然豊かな環境を満喫しました。事前学習や準備には多くの時間と費用がかかり、「必ずしも留学しなくてもよいのでは」と考えることもあるかもしれません。しかし、異なる環境で自分の考えを伝えることの難しさと重要性、一つひとつの課題を乗り越える経験の大切さを実感しました。また、現地で出会った先生方は、今後の医師としての姿勢に大きな影響を与えてくれるロールモデルとなりました。 最後になりますが、この実習に関わってくださったすべての先生方に、心より感謝申し上げます。医学部生でありながら、1か月以上海外で学ぶことができるこのプログラムは、名古屋大学ならではの貴重な機会です。準備は大変かもしれませんが、それ以上に得られるものが多いはずです。ぜひ挑戦してみてください。 実習では、「呼吸器外科」「心臓外科」「放射線科」を選択して回らせていただき、各科の規模の大きさに驚くとともに、日本との術式の違いや、先生方の働き方の違い、医学部の制度の違いなどを感じ取ることができ、とても興味深かったです。また、様々なバックグラウンドを持つ他国の医学生や、現地で働く日本人の先生方など、素敵な出会いに恵まれ、多くの学びと発見がありました。特に、他国の同年代の医学生と知り合い、話し、協力することは、学生のうちにしかできない貴重な体験だったと考えています。そして、異国の地でわからないことが多く、うまくいかないことも多々ありましたが、そんな中でも何かを得ようと、積極的に人に話しかけ、自分なりに努力する体験が、何よりもかけがえのない財産となりました。国際連携室の先生方や諸先輩方により繋がれてきた、名古屋大学が誇るこの派遣留学プログラムにぜひ皆さんもチャレンジしてみてください! 私は、アメリカ・ノースカロライナ州ダーラムにあるデューク大学腫瘍内科で、4週間の実習を行いました。この実習では、腫瘍内科フェローの先生とともに回診し、担当患者の診察や治療方針の議 論に参 加しました。また、外 来や研究室の見学を通じて、医師の働き方やキャリアの考え方、日本とアメリカ 私 は 、2 0 2 3 年 3 月から 2ヶ月 間 、オーストリアのウィーン医 科 大 学 にて、実習をさせていただきました。実習先の大学総合病院は、長年の歴史と文化が息づくウィーンの中心部から、すぐ近くに位置し、多種多様な症例を集めており、2か月間の全てが大変刺激的でした。 名古屋大学医学部医学科では全国的にも有名な制度として、米 国 、ドイツ、ポーランド、オーストリア、スウェーデン、オーストラリア、英国、中国、台湾などの大学医学部・医科大学に臨床実習のために留学できる制度があります。選抜された最終学年の希望者は約1〜3ヶ月間、それらの大学で臨床実習の一部を行います。派遣先の病院では、病棟で実際に患者のケアや治療に参加するなど、現地学生と同様に医療スタッフの一員として病院で実習します。日本とは異なる医療環境の中で、学生達は現地の患者の方や医療従事者と交流し、そして日本では見られない疾患に触れ、日本では得られない貴重な経験を積むことが可能です。 また同制度に基づいて各大学からの受入も始まっており、名古屋大学医学部附属病院での臨床実習に参加したり、研究室で研究を行うなど、名古屋大学医学部医学科を舞台に国際的な交流の輪が広がっています。 平成15年度から令和6年度(20032024)の本制度による学生派遣状況を右表に示します。□川 篤王 然デューク大学 ウィーン医科大学 徳永康太山中滉介ジョンズホプキンス大学 ミュンヘン大学 交換留学制度について交換留学経験者からのメッセージ交換留学制度 Exchange program
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