名古屋大学 農学部案内 2026
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杉 本 裕 介さん味の素株式会社バイオ・ファイン研究所動物栄養グループ清 水 公暁さん王子ホールディングス株式会社グループ技術本部 品質管理部 兼イノベーション推進本部 GX研究開発センター2021年、大学院生命農学研究科博士前期課程森林・環境資源科学専攻修了古 橋 麻 衣さん日清食品HD株式会社健康科学研究部 栄養代謝改善グループ2017年、大学院生命農学研究科博士前期課程応用分子生命科学専攻修了青 木 里奈さん株式会社カネカR&D企画部GPグループ2013年、大学院生命農学研究科博士課程後期課程生物機構・機能科学専攻修了2016年、大学院生命農学研究科博士前期課程生命技術科学専攻修了元々食べることと動くことが大好きで、食べ物がエネルギーに変わる仕組みや、食事が体に及ぼす影響を詳しく知りたいと思い、農学部に進みました。大学では、食事に含まれる様々な栄養素が体内でエネルギーに変換されていく仕組みを分子レベルで学ぶことができ、とてもわくわくしたのを覚えています。また大学院では食品成分の未解明の働きを探る研究に参加し、食事が人の体に与える影響の奥深さを学びました。卒 業後は食品メーカーで、培養肉の開発に携わっています。培養肉とは、動物個体そのものを育てるのではなく、動物の細胞を培養して作られる食肉で、環境負荷の低減や食料危機の解決につながる食品として注目されています。動物が体内で起こす複雑な反応を生体外で再現して組織を作るという難しいチャレンジですが、大学の学びを大いに活かせる仕事で非常に面白いです。農学は、環境や健康といった身近ながら大きな社会課題に取り組める学問です。皆さんも農学を活かして、社会課題の解決を目指してみませんか。微細なプラスチックごみによる海洋環境汚染が問題になっているのをご存知ですか?私は今、化学メーカーでプラスチックの研究をしています。私たちが作っているプラスチックは、植物油脂を原料に、微生物を用いて発酵生産した100 %バイオマス由来であり、海洋や土壌などの自然環境で良好に生分解します。原料から廃 棄に至るまで環境に優しいプラスチックで、世界の環 境問題を解決すべく研究に取り組んでいます。私は、高校時代に光合成に興味を持ったことがきっかけで、農学部を選びました。大学の講義では幅広い分野について学ぶ機会があり、研究室では光合成色素が作られる仕組みについて研究をしていましたが、全てに共通して私が感じたのは、「自然の力ってすごい!」ということです。そして、農学とは、「自然の力を知り、活かす学問」であると学びました。素晴らしい自然の力を活かし、私たちの生活をより良く変える技術を生み出したいと思ったことが、現在の仕事に就くきっかけにもなっています。あなたも、農学の力で世界を変えてみませんか。世界人口の増加と経済成長に伴い、食肉や乳といった畜産物の需要は今後ますます高まるとみられています。そのため、家畜をより効率的に生産することは、世界的に重要な課題となっています。私は、今、食品メーカーで家畜栄養の研究をしています。アミノ酸によって免疫力を高めたり、繁殖能力を高めたりすることで家畜の生産性の向上を目指しています。生物の研究を通して、世界的な課題の解決に貢献できることに、楽しさとやりがいを感じています。私は幼いころから生き物が好きで、生物の研究をしたいと思い農学部に入学しました。講義や実習など、多くのことを学ぶ機会がありましたが、中でも鮮明に記憶しているのはカンボジアでの実習です。カンボジアの学生の「農 業を良くして国を良くしていくんだ」という熱い気持ちに触れ、人間の根幹は食であり、農学はそれを支える学問であると気付きました。この経験から、今の仕事をしたいと思うようになりました。あなたも、農学部で世界中の人の幸せに貢献してみませんか。私は自然環境の保全に興味があり、農学部を選びました。学部では、未利用材が放置されていることで森林の荒廃が進み、生物多様性の減少や自然災害の増加につながっていることを学びました。森林保護のために木材の新たな用途を見出したいとの思いで、研究室ではリグニンと呼ばれる木材成分の基礎研究に取り組みました。卒 業後も木材を通じて環境に貢献したいと考えるようになり、現在は製紙メーカーで木質資源を活用した新素材の開発などに取り組んでいます。製紙メーカーといっても、紙を作るだけでなく、脱炭素社会の実現に向け、木質由来のバイオエタノールや半導体向けバイオマスレジスト、医薬品等々多岐にわたる素材や商品を開発しており、日々やりがいを感じながら仕事をしています。農学は2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、必要不可欠な学問です。皆さんも大学で専門的な知識・技術を学び、来る新時代を作り上げていきませんか。農学を活かして、よりよい社会をつくる農学の力で世界を変える大学で鍛えた考え抜く力を活かして農学で新時代を切り拓くOG・OB からのメッセージ18名古屋大学農学部案内 2026

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