新潟大学 理学部案内2024
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Faculty of Science, Niigata University 2024WEB11新元素の探索と化学的性質の解明:核化学研究室メンバーは、理化学研究所で行われている新元素探索の共同研究グループに参加しています。上の図は、観測した113番元素の放射壊変系列です。2004年の最初の測定から8年後、決定的データが得られました。これにより、新元素である113番元素の命名権が与えられました。Nh:ニホニウムが提案されています。2016年に正式決定しました。環境調和型化学(グリーン・ケミストリー)の概念に基づく物質の科学宇宙空間から人間の体内まで、いつでもどこでもなんでも化学の出番Chemistry Program化学のすすめ■化学とは? 化学は、広大な宇宙空間から細胞核の中まで、光が原子1個分を進むくらいのアト秒から宇宙開闢以来の数億年にわたる、広い時空間に存在する物質の特性や反応性の原因を探求して物質世界の基盤を明らかにしてゆく科学です。さらにその知識を活用して、これまでに存在しなかった新しい機能・特性を持つ物質を創生してゆく科学でもあり、化学の対象となる物質は無限の可能性と多様性を秘めています。化学は物質をめぐる科学の中心として、数学や物理学、生命科学などの基礎科学、工学、農学、医学、薬学、環境学などの応用科学分野とも深く関わりを持ちながら発展を続けています。■お勧めポイントは? 物質の変化・多様性に興味があるかぎり、どんな分野でも化学の知識は必ず必要であり、学習したことは生きてきます。■研究の特徴は? 人類の持続的な発展のため、グリーン・ケミストリーを視野に入れた幅広い分野の研究を行っています。■教育の特徴は? 座学である講義と自分自身で操作する種々の実験や演習をとおして、各分野の化学を体系的に学習できるように、学年・タームのふさわしい時期に講義と実験を配置しています。卒業研究では教員一人あたり2~3名の少人数教育であなたを鍛えます。専門力・総合力いずれのプログラムでも、多くの学生がさらなる研鑽と高度な研究を続けるため大学院へ進学します。■無機・分析化学分野溶液化学研究室では、これまでにない溶媒であるイオン液体の構造とダイナミクスを研究しています。イオン液体は、環境にやさしい性質から、リチウムイオン二次電池の電解質溶液などとしての応用が期待されています。■物理化学分野光エネルギーの有効利用を目指し、太陽電池や光合成にとって大事な光化学反応を研究しています。写真は、環境にやさしい有機物質でできた次世代電池の性能向上をめざし、光酸化還元反応を調べるための測定装置です。こんな研究をしています!■有機化学分野有機化学分野の各研究室では、環境にやさしい化合物や有用な新しい化合物を探求して、グリーン・ケミストリーの観点に立った新しい合成方法を研究しています。写真は、新奇蛍光性有機化合物の合成中の様子です。■生化学分野脱リン酸化酵素による発がんメカニズム解析と阻害剤の開発を行っています。酵素の制御異常による発がんの機構や抗がん剤を、化学の観点から研究を展開しています。蛍光標識を導入した細胞とタンパク質の立体構造です。新元素命名おめでとう!~化学が拓く21世紀の夢~https://chem.sc.niigata-u.ac.jp/化学プログラム化学プログラム

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