新潟大学 理学部案内2024
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理学部長 大 鳥 範 和1949年5月1953年8月1955年7月1965年4月1970年5月1978年4月1985年4月1987年4月1994年4月1995年4月2017年4月Faculty of Science, Niigata University 20242 理学部での教育研究の本分は真理の探究にあります。真理の探究に必要な学修は、先人の築いた到達点を理解し、その先を切り拓くための方法を習得することです。理学部での学修は、各分野で講義や実習科目として体系化されています。体系的に修得された知識は、新たな課題に挑むためのアイデア(知恵)の源泉です。各分野で科学が発展する一方で、新たな課題は複合的になり、分野間の横断的な知恵が求められつつあります。SDGsへの課題群はその包括的事例と言えるでしょう。新潟大学理学部は、各分野での先端的課題はもちろん、自然環境科学やフィールド科学を中心に農学部とも連携し、今日的な複合的課題にも積極的に取り組んでいます。 真理の探究はしばしば根気を要します。その根気を支えるのは、興味や好奇心、不思議な事象に対する感受性、そして考え続けることをあきらめない姿勢です。これは一般的な入試の学力検査で測る能力とは質的に異なる能力と言えます。このような能力はどのようにして育まれるのでしょうか。 理学部は、令和元年度から新潟ジュニアドクター育成塾の推進母体となって、小中学生を対象に研究活動を体験する機会を提供し、その魅力を伝える事業に取り組んでいます。また、令和3年度入試からは総合型選抜を導入し、興味、好奇心、感受性を持って探究活動に根気強く取り組む姿勢を有する学生を積極的に受け入れています。理学部は、地域での探究活動の萌芽を育てつつ、選抜方法に依らず小中高で探究活動に親しんで入学してくる学生を歓迎するとともに、入学後の活動の継続を支援していきます。 理学部では、入学時から1年半の間、数学と理科を中心に幅広い素養を身につけ、これを進路選択に活かせるようにする目的で、1学科制を採用しています。それに続く各専門分野での学修は、工学や農学の基盤でもあり、広く社会で応用の利く内容を備えています。この利点を活かすため、専門教育に加えて、キャリア教育も重視しています。幅広い素養に加えて、社会における自らの専門の位置づけを知ることは、学問的および社会的な視野を広げてくれます。理学部生の過半数は進学しますが、大学院修了後の就職も見据えて、理学部で深い専門性と広い視野を身につけて頂きたいと思います。理学部の沿革国立学校設置法の公布により、理学部は数学科、物理学科、化学科、生物学科、地質鉱物学科の5学科で発足。理学部附属臨海実験所を佐渡郡金泉村大字達者(現佐渡市達者)に設置。理学専攻科を設置。大学院理学研究科修士課程(数学、物理学、化学、生物学、地質鉱物学専攻)を設置。これに伴い理学専攻科を廃止。新潟市西大畑地区から、新潟市五十嵐地区の新校舎に移転。積雪地域災害研究センター設置。大学院理学研究科物質科学専攻(後期3年博士課程)設置。大学院自然科学研究科博士課程(物質科学、生命システム科学、生産科学および環境科学専攻)設置、大学院理学研究科物質科学専攻は同研究科に移行。自然環境科学科を設置。地質鉱物学科を地質科学科に改組。大学院理学研究科、工学研究科および農学研究科が自然科学研究科前期課程に再編成され、自然科学研究科が前期2年の課程および後期3年の課程に区分する博士課程となる。6学科(数学科、物理学科、化学科、生物学科、地質科学科、自然環境科学科)を廃止し、1学科(理学科)として7プログラム(数学、物理学、化学、生物学、地質科学、自然環境科学、フィールド科学人材育成)を設置。新潟大学理学部の教育研究新潟ジュニアドクター育成塾と総合型選抜新潟大学理学部の教育体制学部長からのメッセージ

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