帯広畜産大学 ちくだいパンフ2024
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食を支え、くらしを守る。共同獣医学課程畜産科学課程インターン先の獣医師さんからの薦めで病理の勉強をしたいと思い、プリオン病の病理学的解析をテーマに感染実験を行いました。プリオン病は、プリオンと呼ばれるタンパク質が異常な形態に変化することで発生します。牛に感染するとBSE(牛海綿状脳症)を発症し、最終的には死に至ります。しかし、プリオン病は未だ解明されていない点が多く、現在のところ有効な治療法はありません。プリオンを実験動物に感染させ、その特徴がどのように変化していくかを観察し、原因や病態、発症メカニズムを解析していきました。牛の症例を応用して、人に感染した 場合の対策やアプローチも考えられるのではないかと思います。もともとは顕微鏡で組織をみることに苦手意識を持っていましたが、研究を通して克服することができました。春からは動物病院で働く小動物臨床獣医師になります。病気になった動物を救うのはもちろんのこと、飼い主さんとペット、どちらの気持ちにも寄り添い、人と動物が共に幸せに暮らせる社会を築く一助になりたいです。病理学動物の病気・病変の診断や解析を通じて、疾病の原因や病態、発生機序を探る学問。病気への理解を深めていくとともに、その病気の背景に潜んでいるメカニズムや特徴を明らかにしていきます。犬の呼吸器疾患の一つに「気管虚脱」という重症化すると手術が必要になる病気があります。それに対して「気管ステント」というチューブ状に編み込まれた金属ワイヤーを用いることで、低侵襲かつ広範囲に呼吸状態を改善することができます。しかし、気管ステント自体の強度に懸念がある点から、まだ国内ではあまり普及していません。私の研究では、実際の気管ステントの強度を調査。構造や素材によって強度がどのように変わるのか、初期デザインと比べて実用に耐えうる強度なのか検証していきました。10〜20年耐えうる強度があれば、より多くの命を救える可能性が生まれます。自身の研究がより良い気管ステントの技術に貢献していれば幸いです。卒業後は小さい頃からの夢である小動物の臨床獣医師になります。5年生からスチューデントドクターとしてほぼ毎日のように問診を行ったり、診療に出ていたりしたので、そのノウハウを生かしていきたいと思います。ゆくゆくは今は治せない、あるいは治すのが難しい疾患の治療法を開発できるような獣医師になりたいです。外科学外科療法によって動物の病気を治療することを目的とした学問。疾患の病態発生機序、正確な診断法や手術法などを学び、安全で効果的な外科療法を行うための知識や情報を身につけていきます。OBIHIRO UNIVERSITY OF AGRICULTURE AND VETERINARY MEDICINE 202418畑中 うららさん共同獣医学課程6年愛媛県立宇和島南中等教育学校出身※学年は取材当時のものです。田中 匡さん共同獣医学課程6年栄東高等学校(埼玉県)出身※学年は取材当時のものです。難治性感染症の病理学的解析。患者の希望となる獣医師に。

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