私たちの身の回りにあるさまざまな電気製品にも使われているレアアース。効率的な資源利用社会を実現するため、これまでにも都市鉱山に眠る金属の回収が試みられてきましたが、環境への負荷が大きいことが課題となっていました。東教授、尾島講師らの研究グループはパンの製造に用いられるパン酵母が金属を吸着しやすい表面構造を持つことに着目。パン酵母に食品添加物を混ぜてリン酸化させたところ、レアアースなどの高価な金属を選択的に吸着でき、かつ、世界最高レベルの吸着力を誇る生物吸着材の開発に成功しました。食品由来のため、安全・安価で環境への負荷が小さいことも特長です。開発した吸着材を活用することで、都市鉱山からのレアアース回収や水中に含まれる有害重金属の除去が期待されます。パン酵母が資源回収や環境浄化に役立つ日はそう遠くないかもしれません。大阪の経済・産業・文化の発展とともに歩んできた大阪市立大学。“都市とともに学ぶ”本学ならではの活動によって、世界や日本社会のさらなる発展のために貢献し続けます。世界そして未来パン酵母を用いて世界最高レベルの吸着力を誇る生物吸着材料を開発〈工学研究科 教授 東雅之、講師 尾島由紘〉研究2OSAKA CITY UNIVERSITY研究室では、環境浄化などに役立つ新たな微生物の育種や探索に取り組んでいます。学生の皆さんは、各自が見いだした有望な微生物を、試験管やフラスコ、時には発酵槽を用いて培養し、その細胞自身や細胞が作る物質を取得し、種々の分析機器を用いて解析を進めています。研究に用いた酵母 の電子顕微鏡写真。大きさは5μmほどでラグビーボールのような形をしています。パン、日本酒、ワインなどの製造に使われています。Saccharomyces cerevisiae 海産魚のホンソメワケベラは他の魚の体表につく寄生虫を食べる「掃除魚」です。 右は鏡を見たばかりの個体で、鏡に映る自分の姿を他個体と認識し、攻撃しています。その後、数日で鏡像が自分だと認識できるようになります。▲▲
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