特集教育システムキャンパスライフインフォメーション学部紹介医学部(医学科)よくある質問?!医学部医学科にしかないものってなんですか?附属病院に開設した未来医療センターをはじめ、難病克服を目指す研究体制・設備は他大学にはないものです。QA■Topics2型自然リンパ球はT細胞やB細胞同様大きな核と丸い形態を持つ細胞で、活性化すると細胞質の部分が大きくなり多量のアレルギー関連物質を産生する。がんの悪性化のメカニズムを分子レベルで解明し、新規抗がん剤の開発を目指します。(左)ヒトゲノム情報に機械学習手法を適用することで、日本人集団の白血球の血液型が11パターンの組み合わせに分類できることが明らかになりました。(右)大規模ゲノム解析の実施により、ヒトの病気の発症に関わるゲノム配列変異が明らかになりました。 がんは高齢化の進む日本で最も死亡者数の多い病気です。医学研究の進歩により、がんの病態が明らかになってきましたが、現在の診断法や治療法では対応できない難治性がんもあります。がん研究に関わる基礎と臨床の研究グループが一体となり、未解明のがんの発症や転移の機構について研究を進め、その成果をもとに新規の抗がん剤を開発します。 アレルギーは今や国民の2人に1人が罹患する疾患となり、発症機構の理解や新規治療法の開発が強く求められています。私たちは2型自然リンパ球(ILC2)と呼ばれる新規リンパ球を発見し、この細胞がアレルギー性疾患の原因細胞であることを突き止めました。ILC2はこれまで考えられてきたT細胞による抗原認識機構を介したアレルギーとはまったく異なるメカニズムでアレルギーを引き起こすことが明らかになっており、新しい治療ターゲットとして期待されています。 生物の設計図であるゲノム情報は、A、T、G、Cの4種類の塩基の配列として保存されています。近年、ヒトゲノムを構成する30億の塩基配列を、一人あたり10万円以下の低コストで解読することが可能になりました。数十万人分の大規模ゲノム情報を、さまざまな臨床情報と統合して解析することで、病気の発症に関わるゲノム配列の個人差の発見や、そのメカニズムを明らかにすることに取り組んでいます。人工知能や機械学習手法を活用することで、複雑なヒトゲノム情報を解釈することを目指しています。アレルギー病態の解明アレルギー性疾患の原因細胞の発見がん病態の解明新規がん発症機構の発見と創薬研究への展開ゲノム情報の解釈病気の発症に関わる変異などの解明を目指す 現在、これまでと比較して想像もできないスピードで医療が変革しています。治療法の変革はもちろん、さまざまなイノベーションが医療に応用されています。このような時代を先取りできるような医学の幅広い知識と研究チャレンジ精神を持った人材の育成に力を注いでおります。自らの能力を最大限に発揮して、さまざまな可能性を追求してください。 阪大医学部はとにかく「やってみる」ことが自由です。最先端の研究室での本格的な研究、一般教養やサークル活動を通じた学際的な活動など、可能性は無限大です!患者さんと向き合い、実際に自分で手を動かして学ぶ病院実習で、臨床の姿勢も身に付きます。医歯薬合同の部活も盛んで、縦と横のつながりが強いのも魅力のひとつです。優れた医師と医学研究者を育成森井 英一医学系研究科長・医学部長専門分野: 病態病理学・病理診断学「やってみる」ことで可能性は無限大野畑 享太郎駒場東邦高校 出身医学科6年生(医師・医学研究)在学生からのメッセージ教授からのメッセージ機械学習による日本人集団の白血球の血液型の分類大規模ゲノム解析が見つけた病気を生じるゲノム配列変異31
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