大阪大学 GUIDEBOOK 2023
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?!医学部(医学科)教授からのメッセージQA在学生からのメッセージiPS細胞の臨床研究不妊の原因究明と治療法の開発 少子化は社会構造を根底から揺るがす重大な問題です。少子化の一因となっている加齢または遺伝子疾患に伴う不妊症は男女に認められ、その原因究明や克服が急務となっています。私たちは配偶子(卵子や精子)が作られる過程を分子レベルで明らかにして、これ生体防御学新しい免疫細胞に着目したアレルギー研究 現代社会において日本人の2人に1人は何らかのアレルギーを持っていると言われています。2010年に私たちが発見した2型自然リンパ球(ILC2)は、細胞死(ネクローシス)によって産生されるサイトカインの刺激を受けると、多量の2型サイトカインを産生しアレル いろいろな新薬や新しい治療法が世に出ていますが、多くの病気はいまもその原因や根本的な治療法がなく、世界中で多くの患者さんが病に苦しんでいます。阪大医学部は、単にいまの医学、医療を受け身で身につけるだけではなく、明日の医学、医療を切り拓いていくような医師・医学者の育成を使命に掲げています。ウスケアの成分が抗ウイルス効果を持つことに着目し、マウスケアにより口の中のウイルス量が減少することを検証したいと考えています。らの課題に取り組んでいます。私たちの研究の特色は、体のすべての細胞に分化できるiPS細胞から培養皿上で配偶子を作り出して、その過程を観察・解析することです。この世界に先駆けた技術で、不妊の原因の究明や治療方法の開発に取り組んでいます。ギーを発症させます。これまで知られていたT細胞による抗原認識機構に依存したアレルギーとは別に、抗原非依存的にILC2を介して引き起こされるアレルギーの発症機構を明らかにすることで、新たな治療薬の探索や治療法の確立を目指しています。 阪大医学部では臨床医学や基礎医学、公衆衛生学など数多くの分野において著名な先生方が活躍されています。そして実際にその先生方から教えを受け、あるいは共に研究に取り組むことで、さまざまなインスピレーションを受けることができます。医学という広大な学問を究めるにあたり、阪大医学部はこの上ない環境であると私は考えています。よくある質問医学部医学科にしかないものってなんですか?特集教育システム学部紹介お互いに会食前にうがいをすることで、安全な会食を楽しめることを目指します。iPS細胞(マウス)を用いて、卵子ができあがる過程を観察・解析する。ILC2は、アレルゲンの持つ抗原性ではなく酵素活性によってアレルギーを誘導します。キャンパスライフインフォメーション熊ノ郷 淳医学系研究科長・医学部長専門分野:呼吸器・免疫内科学未来の医療・医学を切り拓く人材育成附属病院に開設した未来医療センターをはじめ、難病克服を目指す研究体制・設備は他大学にはないものです。米澤 陸神奈川県立湘南高校 出身医学科6年生医学を学ぶのに最上の環境33■TopicsCOVID-19の予防マウスケアで感染リスクの減少を目指す COVID-19はマスクを外した状態での会話が感染リスクになります。これは、感染者の唾液にたくさんのウイルスが含まれ、会話によって相手に飛沫が飛び、感染するためです。私たちは、MA-T、CPCといったマ

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