大阪大学 GUIDEBOOK 2025
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?!医学部(医学科)アレルギー治療アレルギーを誘導する免疫細胞の発見 戦後、アレルギーは増え続け、最近では2人に1人の日本人がアレルギーにかかっていると言われています。アレルギーは、花粉や食物など本来からだにとって有害ではないもの(抗原)を免疫細胞が誤認識してしまう病気だと考えられてきました。生体防御学講座で抗ウイルス薬の研究COVID-19後遺症の治療を目指す COVID-19は5類感染症となりましたが、急性期(症状が急激に表れる病気のなり始め)を過ぎたあともだるさが続いたり集中力が低下したりするなどの後遺症についての問題は、いまだ解決されていません。 いろいろな新薬や新しい治療法が世に出ていますが、多くの病気はいまもその原因や根本的な治療法がなく、世界中で多くの患者さんが病に苦しんでいます。阪大医学部は、単にいまの医学、医療を受け身で身につけるだけではなく、明日の医学、医療を切り拓いていくような医師・医学者の育成を使命に掲げています。的に搭載した細胞で、がんを見つけて殺すだけでなく、どんどん増殖してがんを絶滅させます。血液・腫瘍内科学講座ではさまざまながんの目印を見つけて、それを標的としてがんを殺す細胞の開発を続けています。は、2型自然リンパ球(ILC2)という免疫細胞を発見し、ILC2が抗原非依存的にアレルギーを誘導することを明らかにしました。ILC2がどのようにアレルギーを誘導するのか、また、ILC2をターゲットとした新しい治療法を確立することが目標です。感染制御学講座では塩野義製薬との共同研究として、エンシトレルビルという抗ウイルス薬を急性期に内服することで後遺症を減らすことができるのかを、ランダム化比較試験という手法で行っています。 阪大医学部で学ぶことの強みは、自由度の高いカリキュラムにあると考えます。世界をリードする先生から学ぶ最新の知見を盛り込んだ医学講義はもちろん、研究や海外留学を志す学生には手厚い支援体制が組まれています。最先端の医学知識・高い国際性・世界に通用する研究力を身につけたいと考える学生にとって最高の環境だと思います。臨床試験のプロセスを分散化熊ノ郷 淳医学系研究科長・医学部長専門分野:呼吸器・免疫内科学未来の医療・医学を切り拓く人材育成附属病院に開設した未来医療センターをはじめ、難病克服を目指す研究体制・設備は他大学にはないものです。松本 康成岡山県立岡山操山高校 出身医学科6年生自由度の高いカリキュラムが強み33教員からのメッセージQA在学生からのメッセージよくある質問医学部医学科にしかないものってなんですか?特集教育システム学部紹介CAR-T細胞はがんだけを見つけて攻撃します。ILC2はアレルゲンの持つ抗原性ではなく酵素活性によってアレルギーを誘導します。阪大病院を受診せずにオンラインで研究に参加できます。キャンパスライフインフォメーション■Topics新たな免疫療法細胞を薬として使う、がん治療薬の開発 がんの治療薬の進歩には著しいものがあります。抗がん剤と言えばかつては低分子化合物でしたが、現在の主流はモノクローナル抗体となっています。さらに最新のものは、細胞を薬として使う方法です。その代表であるCAR-T細胞は、がんを感知するセンサーを人工

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