グラミングを基礎から学ぶプログラムがあったんです。「IT系人材に女子は少ないけど、増やすために入社のハードルを下げるわけにはいかない。でも、ハードルに達する人間を増やすことはできる」という考えでそのプログラムは行われていました。少ないなら増やそう、という活動は大事だと実感して、大学で自分も何かできないかと思い、「asiam」に参加することにしました。「asiam」ではどんな活動をされていますか? 理工系学部を目指す女子高校生の質問に答えるオンラインイベントに参加しました。想像以上に多くの質問が来たので、それだけみんな知りたいことがあったり、周りに聞ける人がいなかったりするということを痛感しました。いまは女子高校生向けにプログラミングのイベントを企画中です。情報系の高校生向けイベントは男子の参加者が圧倒的に多く、女子が気兼ねなく参加できるものはあまりありません。今までは女子が少ないのは仕方ないと思っていましたが、この問題を私たちの世代で“自分事”としてどうにかしないといけないと感じています。IT系はとくに女子が少ない印象ですね。 高校では物理選択のクラスでしたがおよそ30%は女子でした。それが大学に入ったら急に5%ほどになって、「なぜ?どこに行ったの?」と思いました。理系から文系に志望を変える「文転」PROFILE2024年4月現在をしたり、理系選択でも理工系以外の学部へ進学したりするためだと思いますが、IT系に進んでも卒業後就職などさまざまな選択肢があることがわかれば状況は変わってくるはず。経験者側が発信していくことで、女子が少ない状況を変えたいです。本当は“リケジョ”という言葉がなくなるところまで変わればいいなと思いますし、女子だけじゃなく誰にでも優しい社会になるのが理想ですね。受験を控える高校生にメッセージをお願いします。 進路指導では、まず学部を決めるように言われることが多いと思います。でも、迷ったら可能性が広いほうに進むのをおすすめします。学部の中にもさまざまな分野があるので、進学後でもやりたいことはきっと見つかりますよ。「asiam」のオンラインイベントで女子高校生からの質問に答える吉田さん7特集教育システム阪大生INTERVIEWキャンパスライフインフォメーション吉田 千優(よしだ ちひろ)情報科学研究科博士前期課程コンピュータサイエンス専攻1年生(基礎工学部情報科学科卒業)大阪府立天王寺高校 出身●印象に残っている授業 「プログラミングA」(課題が多く 大変だったが、やり切ったことで、 この学科で今後も頑張ろうと思えた)●阪大のおすすめポイント 生理用品のトイレ内での無償提供や キャンパス内に保育所があり、 女性が修学・研究しやすい環境が 整っている「asiam」をはじめ「大阪大学のダイバーシティ&インクルージョン」についてはP.57をご覧ください。
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