小樽商科大学大学院 ビジネススクール案内 2019
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授業で学んだことを自分のビジネスに置き換える 三浦 私は,海外授業の米国ノースウェスタン大学で,トップクラスのビジネススクール集中講義を受けましたが,ものすごく贅沢な時間でとても刺激的でした。「マーケティングの神様」と呼ばれるような先生方の講義を受けてわかったことは,彼らは雲の上の神様というよりも,今まさに現役で世の中の問題を解いている,最先端を走っている方々でした。マーケティングの世界には,まだ解かなくてはいけない問題が沢山あるのだと。それがゾクゾクした刺激的な体験でした。また,国内でベンチャー経営者に会う機会があり,それまでベンチャー起業家とは天才的な学生さんのイメージで,違う世界の人だと思っていましたが,実際には目の前の仕事を一生懸命やった結果,ベンチャーの社長になっている。その事実が衝撃的でした。もとは真面目なサラリーマン。自分にとっても夢の話ではなくて身近にあることでした。アントレプレナーシップとは何かという考え方が変わりました。大平 私がいろいろな講義を受けてきた中で衝撃を受けたのは,アカウンティングⅠ。有価証券報告書に書かれている数字を見て,この会社が何を見ているのかを知る,という考え方がもっとも衝撃的でした。三上 私は玉井先生に教わった経営戦略のイノベーションが印象的です。先ほどの「手アカのついた理論」の逆になりますが,未だ確立されたイノベーション理論はない。まだ確立されていないのだと。戦略・組織,マーケティングや財務など,学んできたどれにも当てはまらない,少し違うアプローチが存在するということです。これを上手に現実の仕事に落とし込むことはできないだろうか?事業になるのではないだろうかと。自分のビジネスに当てはめて考えて,面白そうだと感じています。猪口先生のマーケティングⅡも刺激的でした。多くの企業が行っている商品開発における市場調査を実際にやりながら学ぶ,アクティブラーニングです。でも,実際に調査をやってみると,仮説通りのデータが来ない!大平 そう,そうなのよ!来ないのよね。三上 こう来るだろうと思った予想通りにはならない。サンプリングも間違っていないし,設問も厳選しているのに。どうして結論が違うのかな?って。マーケティングは簡単ではないと思いました。大平 私のチームも調査でまったく思ったものが出て来なくて,いかに自分たちが描いたシナリオが,顧客目線ではなく勝手な企業目線で答えを探そうとしていたのかを痛感しました。私も面白かったです。三上 我々がいかに企業側の理屈で聞きたいことを聞いているか。アンケートの作り方が「こうに決まっている」とかね。顧客の視点に立ってかなり頭を柔らかくしないと難しいです。司会 OBSを志す人へのアドバイスや,よい学びのコツを教えてください。三浦 ぜひ知っていただきたいのは,OBSの先生方の細かい指導が,非常に隅々まで行き届いていることです。レポートひとつとっても,1行1行に細かなコメントをどんどんくださいます。こんなに贅沢なビジネススクールライフは貴重です。この幸せをぜひみなさんにも味わっていただきたいです。ディスカッションも多くてまさにインタラクティブ。先生と学生の距離がとても近いですしね。中口 OBSは自己主張の強い人が多いですよね(笑)。みなさん思ったことを言葉に出してきちんとアウトプットしているなと思います。私は最初,なかなかそれができなくて周りの人に鍛えられました。学ぶコツとしては積極的に発言する,わからないことをそのままにしない,ですね。大平 自分が変わらなくてはならないと思ったとき,国立大学法人ですし費用の面からもOBS入学を勧めます。いろいろな専門の先生がいて,同じ志を持つ仲間がいます。グループワークも多いので,みんなとコミュニケーションがとれて,相手の言うことも受け入れられるようになります。上手く調整・融合ができて,よいものを作りたい強い意志のある人に来ていただきたいと思います。決算報告書をベースに,その会社が何をしているのかをいろいろなフレームワークや授業で学びとることが重要ですね。職場から求められるリーダーシップも,理論として学び仕事に役立てたいです。北星学園大学経済学部経営情報学科 卒業大平 和歌子 さん銀行業務の中で融資の意見書を書くことが多いですが,OBSで学ぶうちに「この事業はここで差別化が図られているから儲かる,だから回収できます」と,具体的に書けるようになりレベルが上がりました。小樽商科大学商学部社会情報学科 卒業中口 幸亮 さん17
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