宮城教育大学 大学案内 2021
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《 概 要 》  視覚障害教育コースは、聴覚障害や発達障害等すべての障害分野を幅広く学びつつも、視覚障害については特にその教育的支援の観点から、実践的な理論・技能を包括的に学ぶコースです。また視覚障害教育の専門家を育てる北海道・東北地区唯一の高等教育研究機関でもあります。《 特色ある授業や取組 》  見えない子どものためには点字の読み書きや白杖歩行の指導法を知り、また、見えにくい子どものためには網膜像を拡大する支援機器に精通する。でも、それだけでは視覚障害教育は語れないのです。 「飛行機って虹にぶつかってもこわれないの?」と聞いてきた全盲のお子さんがいました。「こわれないに決まっている」と言い切ることは簡単です。でも「どうして?」と彼には納得できないものが心に残るでしょう。炎の揺らめき、池に広がる波紋等見えない世界、触れない世界をどうしたら彼らに生き生きと伝えられるでしょう。「鏡ってなに?お星様ってなに?影ってなに?」見えない、見えにくい子どもたちの心にまるで見えているかのようにこれらの鮮やかなイメージを作り上げてあげたいと私たちは日々考えています。 一人ひとりの見え方や育ちに寄り添い、マニュアル通りには進まないからこそ魅力的で、すべてが恐ろしく想像的な教育の分野がここにあるのです。《 概 要 》  特別支援教育全般について広く学びつつ、ろう・難聴などの聴覚障害、吃音・構音障害・言語発達遅滞などの障害、さらには障害が重度かつ重複している人の言語やコミュニケーションの問題について、深く学び、研究していくことができます。《 特色ある授業や取組 》  聾(ろう)・難聴などの聴覚障害や、構音障害、吃音、言語発達遅滞、失語症、緘黙などの音声言語面での課題をはじめ、障害が重度かつ重複している人の言語やコミュニケーション上の課題など、多岐に亘る幅広い“ことば”やコミュニケーションの問題を対象として、これらの課題のある人への教育的支援について学び、研究していくことができます。 さらに、教育実践活動に参加して、教育的支援の実際を理論的・実践的に捉える学習の機会や、聴覚障害のある学生への支援ボランティア活動の機会を提供し、情報保障についても実践的に学ぶ機会を提供しています。本コースは、卒業後、特別支援学校や聞こえの教室・ことばの教室で活躍する教員や、言語聴覚士の資格をとるために専門学校へ進学する人を多く輩出してきました。  また本コースは、東北・北海道地区の国立大学で唯一「特別支援学校教員免許状(聴覚障害者に関する教育の領域)」が取得できるコースです。聴覚や言語に障害のある子どもたちのコミュニケーションの問題を研究し、教育的支援について深く学ぶ視覚を用いない、視覚だけに頼らない教育がここにある■ 特別支援教育基礎理論■ 視覚障害の心理・生理・病理■ 聴覚・言語障害の心理・生理・病理■ 知的障害の心理・生理・病理■ 肢体不自由の心理・生理・病理■ 病弱の心理・生理・病理■ 視覚障害の教育課程・指導論■ 聴覚・言語障害の教育課程・指導論■ 知的障害の教育課程・指導論■ 肢体不自由の教育課程・指導論見えなくても歩行できる方法について考えます見えにくい体験を通して教材作りを工夫します  聴覚・言語障害教育コース視覚障害教育コース20

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