富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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7Nursing Science and Practice家族の介護継続に関わる要因の検討と支援の探求8Nursing Science and Practice高齢者の転倒予防を目指す足趾運動の効果検証   【足趾力の測定風景】8リポートリポート基礎看護学講座講師     山本 麻理奈基礎看護学講座講師     鷲塚 寛子筋萎縮性側索硬化症(*)(以下、ALS)などの難病療養者の看護と家族の介護継続支援について研究を行っています。介護上の困難を把握し、身体的・精神的・社会的な支援方法を考え、実践することを目指しています。ALSは病状進行に伴い構音障害を生じるため、療養者と介護者は新たな意思伝達手段を習得する必要があります。様々な意思伝達装置が存在しますが、療養者・介護者共に技術習得には時間を要します。それらの中で災害時にも使用しやすい透明文字盤に着目し、使用時の眼球運動や体位の特徴を分析することで技術習得を援助しています。また、介護者が困難に適応する心理過程について調査し、ピアサポート体制の構築に役立てています。高齢者の転倒要因には、運動能力や筋力低下が挙げられます。しかし闇雲に運動しても効果は低く、歩行やバランスを保つ踏ん張りに必要となる〝足趾力〟に着目し、評価方法や運動プログラムの開発を行っています。転倒予防には〝足趾力〟の強化が重要であり、バランスを崩しそうになった状況で咄嗟に踏ん張れる力が必要となると考えました。そこで測定調査により、「足趾挟力」と「足趾握力」はバランス感覚と関連があることや、足趾運動により〝足趾力〟が向上することを確認してきました。今後は足趾に加え、足趾に附随する周囲筋を鍛えるなど足趾力向上のための介入方法を探究し、効果検証のためのデータ集積を目指しています。【透明文字盤(*)】透明文字盤を使用したコミュニケーション方法について、卓越した技術を持つ看護師と介護者の視線分析を行いました。また、センサー・マーカーを使用して体動や文字盤の位置関係・傾きを分析しました。分析から得られた結果を元に、学生と技術習得のための練習を実施しています。ボランティア活動などで実際に療養者の方とコミュニケーションをとり、習得状況を評価する予定です。足趾力足趾挟力・足趾握力・足趾10秒テストを【足趾力】とし、実態調査や運動前後の評価を行います。足趾挟力第1趾と第2趾でセンサーを挟み込み、把持力を測定します。【視線や文字盤の動きの測定】【アイコンタクトの方法や身体の動かし方を伝達した上で練習(学生)】足趾握力足趾をバーにかけ、バーを牽引する力を測定します視線計測機器(トビーテクノロジー社製)足趾10秒テスト可動域の範囲内で足趾の完全な伸展と屈曲を繰り返し、10秒間に実施できた回数を測定します。研究分野基礎看護学:難病看護、家族看護、意思伝達支援研究内容私の研究のポイント研究分野基礎看護学:高齢者、転倒予防、足趾・足趾力 研究内容私の研究のポイント

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