富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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10リポート基礎看護学講座助教     堀田 美沙認知症高齢者の尊厳を守るケアの確立を目指しています。当事者・家族介護者・看護師へのインタビューにより、当事者の主観的体験や、ケアにおける観察の視点と判断の構造を明らかにすることに取り組んでいます。認知症は認知機能の低下に伴い日常生活に支障が生じる病ですが、病状が進行しても最期まで快感情・不快感情は残っています。尊厳が守られた生活を支援するためには、認知症高齢者の行動の意味を理解することが重要です。ひとり歩き(徘徊)といわれる行動も、「故郷に帰る、孫を迎えに行く」など意味がありました。こうした認知症高齢者の体験世界そのものや、家族介護者・看護師の実践知に着目し構造化することを目指しています。図1 認知症とともに今を生きている高齢者の主観的体験図1は在宅で生活する認知症高齢者の「希望や喜びなどの快感情を伴う主観的体験」に焦点を当てたストーリーラインです。認知症とともに今を生きている高齢者の体験は、現在と過去を行きつ戻りつしながら、物忘れや老いの自覚をしつつ、家族や人とつながっている幸せが中心にありました。そして、健康な頃から持ち続けている信念や誇りは残っており、前向き思考の源になっているものと推察されました。● 最新の知見を得ることができた● 今までの自分のケアを見直す  ことができた● 日頃のモヤモヤしている内容を  話し合うことができてよかった       (アンケートより)※開催内容や受講申込は、富山県立大学ホームページをご覧ください。11Nursing Science and Practice認知症高齢者の体験に基づく尊厳(*)あるケアの探究研究分野基礎看護学:認知症高齢者、尊厳、実践知(*) 研究内容私の研究のポイント看護学部では、看護学生の臨地実習を受け入れている病院や老人保健施設等に所属する専門職の方などを対象にセミナーを実施し、仕事に役立つ知識習得・スキルアップ・キャリアアップを支援します。<過去の開催テーマ> 2022年:がん看護へのまなざし(成人看護学講座) 2021年:ケアに活かそう ! ユマニチュード講座(老年・精神看護学講座) 2020年:母子保健・周産期看護・ブラッシュアップ講座(小児・母性看護学講座) 2019年:多職種連携アプローチを使った困難事例の解決(在宅・地域看護学講座)TOPICS富山県立大学 社会人向けセミナー富山県立大学 社会人向けセミナー看護学コース看護学コース

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