富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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12リポートリポート成人看護学(急性期)講座准教授     河相 てる美成人看護学(急性期)講座講師     寺内 英真手術室や急性期病棟での経験から、急性期治療において早期離床は患者の回復に重要な要素あると考えます。運動器に着目し、看護師が介入できる運動の効果について調査しています。健常者を対象に転倒リスク、下肢運動機能、足趾の屈伸運動の調査を行いました。その結果、転倒リスクと下肢運動機能には関連があり、足趾力(*)と立ち上がりテストが向上しました。足趾の屈伸運動は,臥床した状態でも実施できるため、急性期治療後の患者に取り入れることが可能です。今後は多職種と連携した早期離床リハビリテーションにおける看護師の役割およびリハビリテーション継続に向けたシステムの構築を目指します。手術や入院による環境変化により、患者の意識が曇った状態(せん妄)になることがあります。せん妄による弊害を最小限にするため、予防や発症期間の短縮化に効果的な看護ケアの方法について研究をしています。せん妄の発症要因には、高齢、急な環境変化、複数の薬剤、痛み、行動制限、視聴覚障害、手術侵襲などがあり、これら要因を減らし、排泄や水分補給など基本的欲求を充足していくことが予防や発症期間の短縮に効果があることがわかっています。現在、看護師が普段実践している看護ケアと効果のあるせん妄ケアの実施状況と一致率を調査しています。普段のケアに追加できるケアを組み込むことでせん妄発症への効果を研究しています。立ち上がりテスト測定風景せん妄予防ケアと発症時ケア内容看護師経験年数で有意差のあった介入項目をまとめた図。患者状態に対する薬剤使用や多職種/チームでの協働など、経験や知識に基づく判断が必要な項目の実施に有意な差がみられている。足趾握力計測器(竹井機器製)足趾の屈伸運動足趾力計測器「ちぇっかーくん」(日伸産業KK)研究分野成人看護学:早期離床・下肢運動・多職種連携研究内容私の研究のポイント研究分野成人看護学 周手術期看護 急性期看護 せん妄ケア研究内容私の研究のポイント14Nursing Science and Practice急性期病院における早期離床(*)に向けた多職種連携(*)15Nursing Science and Practice術後せん妄(*)に対する効果的な看護ケアの検討

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