富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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15リポートリポート成人看護学(慢性期)講座講師    濵野 初恵成人看護学(慢性期)講座助教    大松 尚登糖尿病合併症に伴う下肢切断は生命予後やQOLに影響を及ぼすため、発症予防と早期介入が重要です。そのため、糖尿病足病変(*)患者のケアを担う看護師への実践力強化に向けた教材開発とその効果について研究しています。これまで行ってきた研究では、複雑かつ多様化している糖尿病患者の足病変に対応していくには、従来の教育プログラムに加え、歩行や歩容といった運動学的視点を捉えたアセスメントや多職種による介入が重要であることを明らかにしました。これらの視点と自身の糖尿病看護認定看護師としての臨床経験を踏まえ、看護師が主体的に学べるフットケア教材を開発し、看護実践力の向上を目指します。療養の場であるベッドサイドなどの環境表面は、病原微生物に汚染されていることがあり、MRSA(*)などの医療関連感染(*)を引き起こすことがあります。効果的な環境整備の方法について研究することで感染予防につながります。感染予防を目的とした環境整備は、高頻度接触面を中心に清拭するようガイドラインで示されていますが、具体的な清拭部位や方法は示されていません。喀痰吸引中の患者において、どの部位をどう清拭すればより効果的な環境整備が実施できるか研究を進めています。また近年、環境表面からの抗がん剤の曝露(*)も問題にされており、今後は環境表面の抗がん剤の汚染に関した研究も進め、患者にとってより安全・安心な療養環境を目指します。20Nursing Science and Practice看護実践力を高める糖尿病フットケア教材の開発21Nursing Science and Practice感染予防を目的とした効果的な環境整備法の確立研究分野成人看護学:糖尿病看護・現任教育・教材開発  研究内容私の研究のポイント研究分野成人看護学:がん化学療法看護、感染看護研究内容私の研究のポイント

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