富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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16リポートリポート成人看護学(慢性期)講座助教    福村 寛子成人看護学(慢性期)講座助教    室谷 寛がんサバイバーシップケアではその人が自分の力で困難な出来事に向き合うことができるような支援が求められています。そのために必要なスキルは何か、どのような支援がその人が持つ力を引き出し高めることができるかについて研究しています。現在、さまざまな心理的アプローチを看護ケアに活用した看護支援プログラムの開発に取り組んでいます。困難な状況においても自己のコントロール感を取り戻し、自己効力感の向上、ひいてはQOLの改善への効果が期待できます。「がんと共に生きる」経験がその人にとっての意味を持つよう、また、関わる看護者にとっても充実感につながる看護支援プログラムの開発を目指していきたいと思います。慢性疾患を有する患者に関わるチーム医療において、看護師は医師や理学療法士など多くの医療職種と連携することが大切です。多職種連携において看護師がその役割を十分に発揮するための要因について研究しています。病棟の看護師は、多職種連携において、医療職種間との情報共有不足や価値観の相違による緊張や衝突などの困難を感じています。この問題には個人と組織の両面から捉えることが必要です。そのため、組織的な側面からは心理的安全性(*)や上司のリーダーシップ、多職種連携教育や業務の忙しさなど、個人的な側面からはコミュニケーションスキル(*)や、自己へのポジティブな精神状態など、この問題の要因を多面的に調査します。筆記療法(EWI)とはペネベーカーら(Pennebaker,1989)により開発された認知行動療法トラウマ体験心身の健康の公立南砺中央病院での多職種カンファレンスの様子方 法ストレス筆記方 法感情表出自己開示方 法改善多職種カンファレンスのメンバー図 筆記療法を活用した看護支援プログラムの枠組み22Nursing Science and Practiceがんサバイバーへの看護支援プログラム開発23Nursing Science and Practice看護師の多職種連携促進のための要因探索研究分野成人看護学、がん看護、サバイバーシップケア(*)研究内容私の研究のポイント研究分野成人看護学:慢性期看護、多職種連携、退院支援研究内容私の研究のポイント

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