富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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19リポートリポート老年看護学講座講師    川口 寛介老年看護学講座助教    稲村 尚子前立腺がんと診断され手術療法を受ける患者のQOLについて研究しています。がんの診断から治療中、治療後も患者自身ががんととも自分らしく生きられるような看護支援の開発に取り組んでいます。前立腺がんは男性の部位別がん罹患数で1位です。前立腺がん手術の多くで手術支援ロボットが使用されています。しかし、手術後は尿漏れや性機能障害を生じることが多く、QOLの低下が課題です。そのため、QOLの推移や患者の体験を理解するために手術前から手術後までの追跡調査やインタビュー調査等を行っています。現在は患者の持つ自信に着目しています。患者の身体面・精神面・社会面から働きかけQOLを高める看護を目指します。介護者の負担感・肯定感は介護行動と大きく関係しています。高齢者が1日でも長く住み慣れた自宅で過ごすことが出来るように、家族の負担感の軽減と肯定感を高め、生活の質向上を図るための研究に取り組んでいます。虚弱状態にある在宅高齢者に対しては、褥瘡(床ずれ)を作らないこと、悪化させないことが重要です。介護を担う家族の負担感と肯定感は相互に作用していることが多くの先行研究で報告されていますが、褥瘡予防行動との関連については明らかにされていません。そのため、在宅での褥瘡予防行動と介護負担感・肯定感との関連を検証し、家族にとって在宅での介護が大きな生きがいや大切な役割となるよう、研究を進めています。前立腺がんの手術後は尿漏れに伴いQOLが著しく低下します。手術後に自信の高い患者はそうでない患者に比べQOLが高いことがわかりました。がんになっても自分に自信を持って生きることが大切だと考えます。患者の自信を高める体験や行動について分析を行っています。図 研究の概念図28Nursing Science and Practice前立腺がん患者のQOL(*)を高める看護29Nursing Science and Practice在宅で高齢者を介護する家族への支援研究分野老年看護:前立腺がん・QOL・排尿ケア研究内容私の研究のポイント研究分野老年看護学:介護家族、在宅高齢者、看護支援研究内容私の研究のポイント

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