富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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22リポートリポート母性看護学講座教授松井 弘美母性看護学講座准教授小林 絵里子妊産婦のハイリスク化に伴い、助産師には周産期における正常から異常への移行を的確に判断する臨床判断力が求められます。臨床判断は臨床推論の結果であることより臨床推論を育成する教育方法の開発目指しています。熟練助産師の臨床判断のプロセスは、推論を用いた論理的思考とヒューリスティックによる直観的思考を連動させ分娩時の状況を解釈し、またその過程で助産師としての分娩の考え方と照らし合わせて判断していました。今後は分娩期の異常として助産師が最も多く経験していた事例における助産師のスクリプトを分析し、助産師の臨床推論の内容を具体的に提示し、基礎教育で推論を学ぶ方法の開発につなげたいと考えています。新生児蘇生(NCPR)実施時の①学習機材(シミュレーター)の違いによる看護職の観察の特徴②NCPR実施に伴う看護職の認知対象を、視線計測機器で測定しています。(工学部情報システム工学科と共同研究を行っています。)NCPRでは技術に意識が集中し、全体を俯瞰できていないのでは?という場面にしばしば遭遇します。技術の確実性は重要ですが、実施にとらわれると、新生児の変化に反応できない、気づくことができないという諸刃の剣のような状態になります。特にNCPRでの判断の確実性はその後の新生児ケアを決めるうえで重要です。本研究は蘇生の経験を貴重な学びの機会とするために観察方法を学ぶ一助となり、教育の質向上につながると考えています。(*)(*)(*)熟練助産師の分娩期の正常から異常への移行に関する臨床判断の分析結果視線解析結果(2名分)(*)左上:簡易新生児蘇生モデル   (ビニール製)左下:視線解析モニター下:新生児蘇生モデル33Nursing Science and Practice助産師の臨床推論 を育成する教育方法の開発34Nursing Science and Practice新生児蘇生法実施における看護師の視認機能研究分野母性看護学: 助産基礎教育・臨床判断 ・臨床推論研究内容私の研究のポイント研究分野母性看護学:新生児蘇生 視線解析 シミュレーション研究内容私の研究のポイント

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