富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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27リポートリポート精神看護学講座講師遠田 大輔精神看護学講座助教浜多 美奈子在宅認知症者を介護する家族介護者の介護負担感(*)やPoten-tially harmful behavior(PHB)(*)の研究を行っています。認知症者と介護者が苦悩なく在宅生活を継続するための支援を検討しています。認知症者の行動・心理症状のうち、介護者の介護負担感には食欲・食行動異常、易刺激性が関連し、PHBには幻覚、睡眠異常などが関連していました。また、PHBには介護負担感が関連していました。臨床において、家族介護者向けの行動・心理症状の対応に関する教育システムをつくり、認知症早期からの介入を行うことで、介護者の介護負担感の増加やPHBを予防できると考えています。子育て中の働く母親のメンタルヘルスの状態や、メンタルヘルスに影響する仕事や家庭からの要因について研究しています。日本では、子どもを育てながら長く働き続けられるような社会づくりが進み、働く母親が年々増加しています。家庭や仕事などいくつもの役割による負担によるネガティブな心理的影響だけではなく、そのポジティブな側面についても検討し、働く母親がこころ健やかに自分らしい子育て・働き方を続けるためのメンタルヘルス支援についての研究を行っています。家族介護者への調査から、上記の結果が得られました。介護者の介護負担感の増加やPHBを防ぐためには・認知症者と介護者への双方向的な支援を行うことが重要です。・認知症者の行動・心理症状に対して、薬物・非薬物療法で症状の軽減を 図るとともに、介護者に対する認知症状や行動・心理症状への対応スキ ルに関する教育や、社会資源の活用についての情報提供等が必要です。43Nursing Science and Practice在宅認知症者の家族介護者支援に関する検討44Nursing Science and Practice乳幼児をもつ働く母親のメンタルヘルス(*)研究分野精神看護学:精神疾患、認知症、家族支援研究内容私の研究のポイント研究分野精神看護学:メンタルヘルス、キャリア支援研究内容私の研究のポイント

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