富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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32リポートリポート地域看護学講座講師    大西 竜太地域看護学講座講師    中堀 伸枝急速に進展するデジタル社会の中で育児をする母親は、現代的な課題に直面しています。スマートフォンやSNSの生活への浸透が子育てに与える影響を解明し、デジタル社会に必要な母親支援を探求しています。現在、デジタルネイティブ(以下、DN)世代(*)の母親の育児への向き合い方を探求しています。DN世代は、デジタル技術に青少年期から接した世代を示し、育児への向き合い方がそれ以前の世代と異なります。テクノロジーの著しい発展の中、本質的に必要な子育ての親の役割と責任は何か、子育てにおけるテクノロジーの可能性と限界は何かを探求することで、子育ての本質が浮き彫りになり、デジタル社会に必要な支援が見えてきます。感染症パンデミックを踏まえたこれからの保健師の教育プログラムの開発を目指して、保健師がパンデミックに対応するために必要な能力についての調査・研究を行っています。公衆衛生看護を担う保健師の養成課程においては、パンデミックに関するプログラムの整備が急がれます。現在、基礎研究として、文献レビューおよび富山県内の保健師にパンデミックに対応するために必要な能力に関するインタビュー調査を実施中です。得られた結果をもとに、今後感染症業務に携わる保健師に広く調査を行い、平時から感染症パンデミックまで対応できる保健師の養成プログラムの開発を目指します。<国内の研究動向>保健師の健康危機管理の教育プログラムでは、災害看護に関する教育プログラムの効果については多数報告されていますが、感染症については、教育プログラム自体を取り上げた研究が少ないです。図 デジタルリソースと母親の関係における類型の連関構造<研究の背景>新型コロナウイルス感染症は変異株が出続け、感染の蔓延が長期化したwithコロナ時代に突入しています。今後は、感染蔓延を前提とした平時の感染症予防のみならずパンデミックにも対応できる人材育成が急務です。デジタルリソース(スマホ、SNS等)との関係をもとに母親の類型を導出53Nursing Science and Practiceデジタル社会における育児課題と母親への支援54Nursing Science and Practice保健師のパンデミック(*)対応能力の向上を目指して研究分野地域看護学:公衆衛生看護学,親子保健研究内容私の研究のポイント研究分野地域看護学:公衆衛生看護学,保健師教育研究内容私の研究のポイント

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