富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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1Nursing Science and Practice看護技術の教育プログラム構築および教材の開発2Nursing Science and Practice褥瘡(*)の再発予防に有用な創閉鎖部評価指標の開発5リポートリポート基礎看護学講座教授    岡本 恵里基礎看護学講座准教授     浦井 珠恵看護技術教育では、限られた授業時間で学生の体験内容を充実させることは難しい現状があります。そこで、学習者の主体性を引き出すような教育プログラムの構築や、自己学修用デジタル教材の開発に取り組んでいます。看護学生や新人看護師は、既習した看護技術を臨床看護実践に適用できないこともあり、教育課題となっています。これは患者をアセスメント し、ケア場面の状況に応じて技術の組み直しをする能力が低いことが要因と考えています。そのため、現実的な看護場面を想定したデジタル教材の開発や、国内の看護基礎教育では初めて教育課程に取り入れた、ユマニチュードⓇケア技法の修得を目指した教育プログラムの構築に取り組んでいます。同一部位への褥瘡再発割合は31.8%であり、適切なマットレスや被覆材を使用しても再発を防ぎきれない現状があります。「再発したか否か」の結果論ではない、組織内部の変化に基づいた予防ケア創成を目指します。創閉鎖部を評価するデバイスとして、超音波診断装置(エコー)やスキンブロッティング(Minematsu T et al., 2014)の有用性を検討しています。褥瘡再発のハイリスク状態で出現した無エコー域を観察することができ、エコーでの評価指標を明らかにしました。また、創傷治癒過程のリモデリング(*)を明らかにすることも創閉鎖部を評価する上で重要であるため、瘢痕動物モデル・褥瘡再発動物モデルの開発にも取り組んでいます。(*)(*)摩擦係数が低い被覆剤の貼付により再発を予防できた症例(Urai T et al., 2019)を経験し、骨突出部にかかるずれ力(*)の軽減が褥瘡の再発予防に重要であると考えています。骨突出部にかかるずれ力を指標に褥瘡予防ケアを評価することを最終目標とし、現在はベッドサイドで使用可能なずれ力の測定機器を開発しています。人にセンサを貼付して測定する方法と臀部モデルを用いて測定する方法とでずれ力が測定できているかを評価します寝たきり高齢者の臀部モデル(作成中)病院での調査風景(エコーでの観察)解剖学名称の理解:コンピュータの画面上で各指標線を正しい位置にスライドさせた後、「解説」をクリックすると正解の位置が示されます。研究分野基礎看護学:看護技術、ユマニチュード、教育方法研究内容私の研究のポイント研究分野基礎看護学:褥瘡予防ケア・創傷看護・看護技術研究内容私の研究のポイントフィジカルアセスメントのデジタル教材(自己学修用)打診の模擬体験:肝臓は視診により観察することができないため、体表面を叩く(打診)ことにより、位置や大きさを同定します。コンピュータの画面上でクリックすることで、打診音(濁音・鼓音・共鳴音)を聴き分ける練習ができます。

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