富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
8/42

3Nursing Science and Practice感染予防の技術教育に関する教育教材の開発4Nursing Science and Practice臨床判断(*)能力向上を目指した看護教育教材の開発模擬病室内における看護師の視線の動きVR/MR技術を活用した看護教育教材の開発6リポートリポート基礎看護学講座准教授     三善 郁代基礎看護学講座准教授     林 静子新型コロナ感染の経験からも、標準予防策(*)の遵守の重要性が浮き彫りになりました。看護基礎教育の段階から、目に見えない微生物を意識した感染予防の技術が定着することを目指し、教育教材の開発に取り組んでいます。これまでの感染看護の教育経験から、学生や新人看護師などの初学者にとって、目に見えない微生物を意識した感染予防に関する技術教育がいかに重要であるかを実感しています。 そのため、蛍光塗料を用いて看護援助場面で生じる汚染を可視化することや、看護援助に伴う療養環境の汚染と看護行為の関係を明らかにしています。また、熟練看護師による看護援助中の視線解析を行い、具体的な感染予防行動やその意図を明らかにしています。看護学生や新人看護師の観察力・臨床判断能力を高めるために、熟練看護師の視線や行動を視線計測装置やカメラを用いて可視化し、VR/MR技術を活用した新たな看護教育教材の開発に取り組んでいます。熟練看護師の知識と経験を積み重ねた観察力・臨床判断能力を客観的に示すために、看護師の視線計測と思考過程のインタビューを組み合わせた調査を行っています。観察力・臨床判断能力が客観的になることによって、VR/MR技術を活用して熟練看護師の経験をよりリアルに作り出し体験することが可能となります。経験が少ない看護学生や新人看護師が少しでも熟練看護師のような観察や臨床判断ができる看護教育教材の開発を目指します。呼吸状態を考えて観察した視線軌跡VR学習システムを活用した滅菌手袋の装着技術トレーニング熟練看護師による床上での一連の看護援助場面を参加観察およびVTR撮影をし、その手順や方法、汚染の広がりについて記録します。手指衛生と手袋交換の実施率を算出し、看護師の手指が触れた環境表面の種類を明らかにします。また、熟練看護師の援助中の視線解析を解析ソフトTobii Pro ラボアナライザー(トビーテクノロジー社製)を用いて行います。看護援助場面で生じる汚染を蛍光塗料を用いて可視化します。援助終了後、ブラックライトにて療養環境への蛍光塗料の付着部分の確認を行い、写真撮影をします。蛍光塗料の付着面積を算出し、汚染状況の分析を行います。転倒リスクを考えて観察した視線軌跡MR(複合現実)技術を活用した滅菌手袋の装着技術トレーニング看護援助場面の参加観察蛍光塗料を用いた汚染状況の確認研究分野基礎看護学:感染看護、感染予防、技術教育研究内容私の研究のポイント研究分野基礎看護学:看護教育、臨床判断、視線計測、VR/MR(*)研究内容私の研究のポイント

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る