富山県立大学 研究室ガイドブック2023 看護学部
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5Nursing Science and Practice社会力に着目した透析療法(*)中の糖尿病患者のケア6Nursing Science and Practice看護師の過剰適応(*)傾向を規定する要因7リポートリポート基礎看護学講座講師     岡山 未来基礎看護学講座講師     福森 絢子透析療法を導入した糖尿病患者は、家族を含めた身近な集団の中で孤独感を抱きながらも実は人とつながる力(社会力)を備えています。その社会力を育むために看護者が提供できる有効なケアについて研究しています。透析療法を導入した糖尿病患者の、身近な人とつながる力(社会力)に着目し、社会力を測定する尺度を開発(*)して調査した結果、5つの構成要素を持つことを明らかにしました。今後は、患者たちの社会力を育むために、看護者として患者に対する教育プログラムを開発し、その有効を検証することで、少しでも糖尿病で透析療法導入となった患者の生活の質の向上に貢献したいと考えています。看護師の離職要因の一つとして挙げられる、過剰適応との関連について研究をしています。看護師の過剰適応傾向尺度を開発し、看護師の過剰適応傾向を規定する要因を明らかにすることを目的としています。過剰適応は「異常な適応の仕方」と言われており、様々な心身の不健康を引き起こします。看護師は過剰適応に陥りやすい職業特性を持ち、潜在的な過剰適応者が多くいると推察されますが、看護師を対象とした研究はみられず、過剰適応の形成要因も明らかになっていません。看護師が自身の過剰適応傾向に気づき、認知的な対応をしていくことで、看護師のバーンアウトを予防し、離職率の低下や看護の質の向上にも寄与すると考えています。糖尿病透析患者は、社会の一員に復帰する力を備えています。その力は5つの構成要素で成り立っていることを報告しました。第42回日本看護科学学会学術集会で口頭発表として、内容の一部を発表しました。 テーマは「看護師の過剰適応傾向尺度の開発(その1)―尺度項目の抽出―」です。今後は、本研究は尺度の信頼性・妥当性の検証のためのデータ収集を継続していきます。研究分野基礎看護学:糖尿病、透析療法、社会力  研究内容私の研究のポイント研究分野基礎看護学:過剰適応、尺度開発、離職予防研究内容私の研究のポイント

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