富山県立大学 研究室ガイドブック2024 工学部
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  固体高分子形燃料電池光電子分光法による基礎研究25リポートリポート有機分子に水素を貯める研究環境工学講座教授 渡辺 幸一環境工学講座教授 脇坂 暢北陸地方には多量の越境汚染物質や黄砂粒子が輸送され、自然環境への影響が懸念されています。また、桜島などの火山噴煙由来物質も輸送されていることがわかってきました。これらによる環境影響を評価するため、山岳域やヘリコプターを利用した観測研究を行っています。立山などの山岳域や小矢部市の山間部などにおいて、大気汚染物質・微粒子の観測、霧水・降水の採取・化学分析、積雪・渓流水の観測などを行っています。また、ヘリコプターを利用した新しい上空大気観測や、越境汚染物質、黄砂粒子や火山噴煙由来物質による生態影響についても検討を行っています。上空での光化学オキシダント物質や火山ガスなどについての新しい知見を報告しています。さらに、バイオエアロゾルについても観測的研究を進めています。太陽光や水力などの再生可能エネルギーを源とした水素社会は、究極の低炭素循環型社会といえます。水素社会実現のため、水素(エネルギーキャリア)製造・貯蔵・輸送・利用の基盤技術の創出と確立に向けて研究を行っています。水素を燃料とする固体高分子形燃料電池は、エネファームや燃料電池車に採用されており高価な白金が電極に用いられています。コスト低減・高耐久化に向け、電極での燃料電池反応について研究を行っています。また、水素を芳香族有機分子に付加させて水素を貯蔵する有機ハイドライド法についても研究を行っています。エマルションを用いることで、水と芳香族有機分子から有機ハイドライドを直接電解合成することに成功しました。ヘリコプターを利用した上空大気観測の様子立山における積雪断面観測(上)と霧水採取(下)の様子再生可能エネルギーを源とした水素社会31Environmental and Civil Engineering大陸起源物質や火山噴煙の動態と環境影響評価32Environmental and Civil Engineering水素社会実現に向けた基盤技術の創出と確立研究分野大気物理化学、雪氷化学研究内容私の研究のポイント研究分野燃料電池、水電解、エネルギーキャリア製造研究内容私の研究のポイント

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