富山県立大学 研究室ガイドブック2024 工学部
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27リポートリポート環境工学講座准教授 坂本 正樹環境工学講座准教授 佐伯 孝人間活動による河川・湖沼生態系構造・機能への影響(富栄養化や化学汚染などの影響)を定量的に評価することを目的として、そこでの生物群集動態を制御する環境要因と生物間相互作用の役割について研究しています。水圏生態系内では様々な生物種の間でケミカルコミュニケーション (情報化学物質を介する)が行われており、これが種間競争、捕食‐被食関係の面で複雑に係わり合い、群集が構成されています。人間活動による生態系への影響を評価するためには、生物の死亡や増殖への影響を調べると同時に、「生物群集の構造を決定する生物間相互作用の役割とメカニズムを解明し、そのかく乱影響を定量的に示すこと」が必要とされています。循環型社会を構築する上で、適正に廃棄物(ごみ)を処理・処分することは重要です。当研究室では、廃棄物の適正な循環や災害時に発生する廃棄物の適正な処理、リサイクル技術の開発などの研究を行っています。1.廃棄物の移動実態を解析することで、遠方への移動による不 適正処理の可能性把握と中間処理業者の最適化の研究を進め ています。2.災害廃棄物の広域での処理や産業廃棄物の処理施設の活用 等について研究を行っています。 3.水のみを用い、ソーラーパネルなどの複合廃棄物をリサイクル する技術の研究を行っています。(*)左図. 諏訪湖生態系の構造(炭素・窒素安定同位体比解析による推定) 矢印はそれぞれの「食う−食われる」関係を表している。解析の結果、生態 系内には2つの物質とエネルギーの経路(黄色と水色)があることがわかった。右図. 低濃度の化学物質による湖沼生態系への影響 農薬や重金属など、人間活動由来の化学物質は、直接生物の生存に影響する だけでなく、生物間相互作用(競争関係や捕食‐被食関係)を撹乱する。三重県における産業廃棄物の排出実態の見える化循環資源(廃棄物)の発生、処理実態調査35Environmental and Civil Engineering人間活動による水圏生態系への影響36Environmental and Civil Engineering持続可能な循環型社会構築研究分野河川・湖沼の生態学、生態毒性学研究内容私の研究のポイント研究分野循環社会工学、環境情報解析、廃棄物工学研究内容私の研究のポイント産業廃棄物の処理実態の解析

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