富山県立大学 研究室ガイドブック2024 工学部
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  10Environmental and Civil Engineering2023/12/25 ‒ 2024/1/62023/12/13 ‒ 2023/12/25コヒーレンス301m深地温計測による自然斜面における地下水の流動経路の推定(矢印が地下水の流れを示している)天然ダムの破壊機構の解明に関する模型実験(すべりによる破壊の例)土石流源頭部で発生した斜面崩壊における土質試験(現場一面せん断試験)状況リポートリポート砂丘の基部旧河道旧河道衛星合成開口レーダによる液状化領域推定(新潟県内)社会基盤工学講座教授古谷 元社会基盤工学講座教授星川 圭介日本は、山地のような自然斜面の他に盛土等の人工斜面が数多く存在していますが、毎年どこかで崩れて災害が発生しています。私は、斜面が崩れる原因、そして災害の予測と防止するための研究をしています。私は、計測を中心にした学際的な研究を展開し、地下水の動きと斜面の強度変化の関係について明らかにしました。地盤調査や実験によって、土砂が河川を堰きとめることによってできる天然ダムの構造や破壊機構の解明も検討しています。 これらの研究内容を通じて、斜面の移動現象の本質を解明するとともに、減災化への手法や環境への影響評価へ繋げてい きます。また、より簡便な地盤・斜面調査法の開発に関する 検討も進めます。地理空間情報の取得・解析技術を主要なツールとして、水路転落事故や交通事故の防止、防災、農業や商業の振興といった地域課題に取り組んでいます。全球測位衛星システムやリモートセンシングなどの地理空間情報の取得技術はめざましく進化しました。本研究室では、これらの技術を地域課題解決に向けて活用するとともに、地域理解に根ざした地理空間情報活用技術の開発も進めています。2022年度からは経済産業省の事業のもと、県内外の企業と共同で衛星リモートセンシングデータを活用した防災・農業・都市計画アプリの開発事業を行っています。(*)2枚の図は、地震を挟んだ2時点間(上)および地震前の2時点間(下)の地表面形状の変化を衛星搭載合成開口レーダ から得られる「コヒーレンス 」(地表面形状変化の空間的連続性)という値で示したものです。液状化は地殻変動などとは異なる局所的な沈降や隆起を生じ、コヒーレンスを低下させます。地震を挟んだ2時点間では、砂丘の基部や旧河道においてコヒーレンスの顕著な低下が見て取れます。これらの地域は国土交通省「液状化しやすさマップ」の高危険度地域と一致しています。(*)(*)41Environmental and Civil Engineering土砂災害の発生メカニズムの解明と予測42地理空間情報解析による地域課題解決研究分野自然災害科学・斜面防災・地盤工学・土木地質学研究内容私の研究のポイント研究分野衛星リモートセンシング 、空間情報解析、測量、地域計画研究内容私の研究のポイント

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