富山県立大学 研究室ガイドブック2024 工学部
44/102

42核様体/複製機構はどのように進化したかウイルスの遺伝情報、ウイルスゲノムからウイルスの進化や起源を推定するリポートL-formの生存戦略を解明→原始細胞の理解+新規抗生物質の開発応用生物情報学講座教授大島 拓応用生物情報学講座講師高田 啓応用生物情報学講座助教  杉本 竜太●ゲノム工学、比較ゲノム学、ゲノム進化学に基づくゲノムの機能研究とゲノムデザイン●ゲノム研究による原始生命、生命誕生の秘密の解明●システム生物学を用いた細菌増殖機構の解明 ●環境ゲノムを含むゲノム解析技術の開発とそれを用いたゲノム解析●ゲノム情報を活用した効率的な物質生産や薬剤の作用機序の解明●セントラルドグマを司る因子の多様性・共通性そしてその進化の理解我々は、細菌やウイルスのゲノム情報解析、ゲノム操作、分生生物学・生化学解析、あるいはシミュレーション等の最新技術を駆使して、生物がどのように増殖していくかを研究しています。特に生命の本質であるセントラルドグマ(転写・翻訳・DNA複製)を司る因子群に着目し、細菌やウイルス種間での共通性や多様性を理解したいと考えています。その成果に基づき、人工細胞の創生や生命の起源に迫ろうとしています。これらは、非常に基礎的な研究ですが、得られた技術や知見を用いて、抗生物質の作用機序の解明や、環境DNAの解析、新たな有用微生物の機能解明、効率的な物質生産など、より応用に近い研究も行っていきます。 細菌は核を持たず、その代わりに核様体を持ちます。核様体構造が変化した大腸菌の複製は、もともとの複製システムとは違っている可能性が出てきました。核様体と複製機構の進化は関係しているかもしれません。細菌は、細胞壁を失うと死にますが、特殊な環境では、細胞壁を失ったまま、極めて単純な仕組みで増殖します。これをL-formと呼びます。L-formの増殖の仕組みは原始細胞とよく似ているのでは?と考えられています。研究分野ゲノム工学、合成生物学、細胞工学、微生物インフォマティクス、生物情報学研究内容私達の研究のポイント56 Biotechnologyゲノム工学・細胞工学に基づく微生物情報学

元のページ  ../index.html#44

このブックを見る