富山県立大学 研究室ガイドブック2024 工学部
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生物学の発展とともに、「遺伝子」という語の意味も変化し、多様化しています。上の図は、遺伝子が運ぶ遺伝情報について分析した際にまとめたものです。51リポートリポート教授 大石 玄准教授石田 知子様々な労働者の意見を集団的に集約し、職場環境を向上させていく方策を考えています。また、アニメ等のファンらが行う、いわゆる《聖地巡礼》現象について、地域コミュニティに与える影響の考察を進めています。架空のコンテンツの舞台となった背景を実際に訪れて楽しむという行動様式は、2000年代に入って以降に盛んとなりました。この現象を、観光行動の派生形としてだけではなく、新たな「まちづくり」の形態として捉え、その動向について取材調査と分析を行っています。これまでの研究成果をまとめた共著『地域×アニメ』を2019年4月に成山堂書店より上梓しました。私たちは「遺伝情報」や「遺伝子」という用語を使って生命現象を説明していますが、実はそれらの意味は曖昧です。なぜ生物学にはそのような用語が必要なのかということを、哲学の観点から分析しています。遺伝情報はインスリンや黒い瞳に「ついて」のものだという性質(志向性)を持ちます。これは科学的性質ではないため、真に科学的に生命現象を理解するなら、志向性を科学の言葉で説明する必要があります。その鍵は自然選択で、生存や繫殖に有利なDNAの塩基配列が集団に保存される際、志向性が生まれると考えます。私はこの考えに基づき、遺伝子はタンパク質のアミノ酸配列、ゲノムは表現型の遺伝情報を伝達することを示しました。技術者を目指すなら知っておきたい知的財産権の基礎知識が学べる教科書『18歳からはじめる知的財産法』を2021年4月に出版しました。特許法や著作権法はもちろんのこと、意匠法や商標法、さらには種苗法や不正競争防止法に至るまで網羅しつつ、初学者でも親しみやすい読み物に仕立てました。コンテンツを地域の文化資源として育てる試みは各地で営まれています。最近では、『おおかみこどもの雨と雪』の富山県上市町や、P.A.WORKSが本社を置く南砺市などをフィールドとして、地域の人々と作品世界との結びつきを研究しています。70Liberal Arts and Sciences71Liberal Arts and Sciences遺伝情報・遺伝子概念の哲学的分析研究分野労働法、知財法、アニメ・マンガと地域社会研究内容私の研究のポイント研究分野科学哲学・生物学の哲学研究内容私の研究のポイント法教育 & 地域コンテンツ

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