富山県立大学 研究室ガイドブック2024 工学部
54/102

52(右):浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」を江戸時代の日本人が中国語(白話小説)に翻訳 したもの(『日本忠臣庫』)。   (左):中国で出版された道徳の教科書 『陰隲録(いんしつろく)』を江戸時代の日本人が翻訳したもの(『和語陰隲録』)。(ドイツのカッセルにて)クリスマス前のブランデンブルク門グリム兄弟像ドイツ国内無形文化遺産「ドイツのパン文化」リポートリポート教授 川上 陽介 林梅村『流沙の記憶をさぐる ―シルクロードと    中国古代文明』 の翻訳をしました。准教授 金城 朱美江戸時代の日本人は、人間として大切にすべきものは何かという思想を実にさまざまな形で表現しています。私の研究目的は、そのような江戸時代の精神基盤にもとづいて、文学テキストを正確に読み解くことにあります。江戸時代の日本文学作品を研究しています。文学作品の「ことば」を正確に理解するためには、その「ことば」が担っている重層的な文化的背景を知らなければなりません。十八世紀の日本人にとって最新のポップカルチャーであった中国白話文学の役割にも留意しつつ、洒落本、談義本、読本、滑稽本、笑話集などの作品を読み、江戸時代の「ことば」を正確に理解し、味わうことを目指しています。ドイツの現代社会と文化を読み解くために、さまざまな「語り」を多面的に考察しています。さらに、文化遺産(特に無形文化遺産)と幸福について研究しています。ドイツ語圏の現代伝説(都市伝説)、現代におけるグリム童話の受容、日独のクリスマス文化や食文化について、テキスト分析だけではなく、フィールドワークも取り入れて研究しています。またドイツにおける無形文化遺産からSDGs実現のヒントを探り、幸福について考察しています。日独のクリスマスマーケット調査結果をもとに、2022年からクリスマスマーケット in TOYAMAを開催しています。行動派研究者です。72Liberal Arts and Sciences近世における日中比較文学73Liberal Arts and Sciences人びとの「語り」と文化遺産からみる現代ドイツ研究分野日本近世文学、中国白話文学研究内容私の研究のポイント研究分野日独口承文芸研究、ドイツ民俗学、文化遺産、幸福学、日独比較文化 研究内容私の研究のポイント

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る