富山県立大学 研究室ガイドブック2024 工学部
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Liberal Arts and SciencesLiberal Arts and Sciences 私は、NiMnSbという磁性体がMn(マンガン)を多く含むときだけ、電気抵抗に「ししゃもの腹」のような形をした温度変化が見られることを見出しました。 私はこの振る舞いから、NiMnSb がMnを過剰に含んだ状態を、ししゃも(capelin)の頭文字をとって、「C相」と名付けました。引き上げ法ブリッジマン法57教授 福原 忠教授 室 裕司フラックス法磁性金属で発現する未知の電子輸送現象の発見を目指し、興味ある物質の電気抵抗、ホール効果、磁気抵抗効果を、絶対零度に近い極低温から、数百℃までの広い温度範囲で測定します。磁性金属の電子輸送現象(電気抵抗、ホール効果、磁気抵抗効果)には、従来の理論で説明できないような異常な振る舞いがしばしば発見されます。有名なものでは、1960年代に発見された電気抵抗の極小現象があります。極低温での電気抵抗の奇妙な振る舞いを見出した実験は近藤効果の研究という物性研究の大きな流れを生み出しました。私は、そのような従来の理論では説明できないような電子輸送現象を示す物質を探索し、新たな物性研究を導くようなデータを出す事を目指しています。 レアアース を含む新しい化合物を合成し、さらに単結晶を育成し、物性測定を通して重い電子状態 、超伝導、強磁性などの特異な物理現象を示す物質を開発し、その発現機構を解明していきます。レアアースは、4f電子という特別な電子をもつため、超伝導等の物理現象を引き起こすだけでなく、強力な磁石などの機能材料を開発する上で重要な物質です。私は新レアアース化合物の作製、特に単結晶試料の育成と電気抵抗などの物性測定によって、特殊な物理現象や機能発現の原因を解明し、さらに従来材料を超える機能をもった物質を開発します。また、レアアースを含む準結晶の開発も進めています。(*)(*)(*)(*)リポートリポートししゃも8283新しいレアアース化合物の物質開発研究分野磁性金属、電気抵抗、ホール効果、磁気抵抗効果研究内容私の研究のポイント研究分野レアアース化合物、新物質開発、単結晶育成、準結晶研究内容私達の研究のポイントいろいろな単結晶育成法で作られたレアアース化合物磁性金属の電子輸送現象

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