富山県立大学 研究室ガイドブック2024 看護学部
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99Nursing Science and PracticeNursing Science and Practiceリポートリポート若手看護師の尊厳を重視したコミュニケーションの実態基礎看護学講座助教     川端 崇広基礎看護学講座助教     細田 恵莉奈人の皮膚の力学刺激応答や力学物性について興味関心をもち、臨床レベルと単一細胞レベルの研究を並行して取り組んでいます。体圧分散寝具のマット内圧管理について新しい知見を得ました。新たな褥瘡予防ケアの知見構築に向けて、今後は臨床データを蓄積していきます。また、超顕微鏡観察による人の皮膚の単一角質細胞の硬さからナノ科学を用いて保湿機能を評価する方法を確立しました。革新的なスキンケア開発に向けて挑戦していきます。看護の対象となる人々の能力や意思を尊重した看護を実践するためには、高い看護技術が求められます。特にコミュニケーション技術は多様な個別性に対応する必要があり、技術力を高める教育方法を探究しています。認知症高齢者の中には、コミュケーションエラー(*)により尊厳(*)が守られた生活を送れない場合があります。   そこで認知症高齢者と生活を共にしている家族や医療専門職者のコミュニケーションの実態を知ることが重要と考え、〝尊厳〟をテーマに質問紙調査やインタビュー調査に取り組んでいます。             分析ではポジティブな情報も重視し、包括的コミュニケーション技法であるユマニチュードⓇを取り入れた教育方法を模索しています。図1 人の皮膚の単一角質細胞の力学刺激応答計測原理の概念図.単一細胞の採取及び, 単離, 硬さ評価の方法を確立しました。ナノレベルにおける皮膚の保湿効果を検証します。総合病院に勤務する経験1〜3年目の若手看護師を対象に、コミュニケーションの図りにくい患者の体位変換の援助における尊厳を重視した『話す・触れる』技術に関して、日頃どの程度「意識しているか」・「実施しているか」について自己評価してもらったデータの一部です。『触れる』技術より『話す』技術を意識し実施している看護師が多く、『触れる』技術では、患者の身体に常に触れ、筋緊張の程度を把握することへの意識が低いため、これらの教育課題に対する教育方法を検討しています。10看護コミュニケーション技術の教育方法の検討研究分野基礎看護学:褥瘡予防ケア,スキンケア,創傷看護研究内容私の研究のポイント研究分野基礎看護学:看護技術・教育方法・認知症看護研究内容私の研究のポイント次世代の褥瘡予防ケア開発

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