富山県立大学 研究室ガイドブック2024 看護学部
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19リポートリポート老年看護学講座講師    川口 寛介老年看護学講座助教    稲村 尚子前立腺がんと診断され手術療法を受ける患者のQOLについて研究しています。がんの診断から治療中、治療後も患者自身ががんととも自分らしく生きられるような看護支援の開発に取り組んでいます。前立腺がんは男性の部位別がん罹患数で1位です。前立腺がん手術の多くで手術支援ロボットが使用されています。しかし、手術後は尿漏れや性機能障害を生じることが多く、QOLの低下が課題です。そのため、QOLの推移や患者の体験を理解するために手術前から手術後までの追跡調査やインタビュー調査等を行っています。現在は患者の持つ自信に着目しています。患者の身体面・精神面・社会面から働きかけQOLを高める看護を目指します。予防医学の観点から、健康寿命延伸に必要な能力として、ヘルスリテラシーが着目されています。高齢者への実態調査から、対象地域の特性を踏まえた介護予防や健康寿命延伸のための看護支援の検討を行います。ヘルスリテラシーは、健康情報を獲得・理解・評価・活用するための、知識・意欲・能力のことで、入院率や死亡率との関連が明らかとされています。高齢者は地域によってメディアの利用状況が異なり、このヘルスリテラシーは地域差が生じていることが推測されます。そのため、その地域のヘルスリテラシーの実態を明らかとし、より地域のニーズに沿った介護予防や健康寿命延伸のための看護支援活動への活用を目指します。前立腺がんの手術後は尿漏れに伴いQOLが著しく低下します。手術後に自信の高い患者はそうでない患者に比べQOLが高いことがわかりました。がんになっても自分に自信を持って生きることが大切だと考えます。患者の自信を高める体験や行動について分析を行っています。 高齢者が一日でも長く住み慣れた地域で健康で生活するために高齢者は、自身のヘルスリテラシーの向上を目指すことが必要であると考えます。現在実態調査を行っており、この結果からより地域高齢住民のニーズに沿った看護支援活動への活用が期待されます。28Nursing Science and Practice前立腺がん患者のQOL(*)を高める看護29Nursing Science and Practice高齢者のヘルスリテラシーについて研究分野老年看護:前立腺がん・QOL・排尿ケア研究内容私の研究のポイント研究分野老年看護学:介護家族、在宅高齢者、看護支援研究内容私の研究のポイント

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