富山県立大学 大学案内 2024
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電気電子工学科外部機関によるSiCチップ試作と測定ナノスケールトランジスタの量子力学的シミュレーションダブルゲートナノMOSFETバンド構造を導入した場合の■D-■D特性デバイス測定実験の様子交流分極のモデル匂いセンサシステム育成した圧電体結晶と設計・作製した燃焼圧センサ圧力センサチップ 便利で快適かつ省エネな生活には、半導体集積回路、機能性電子デバイス、センサデバイス、パワーエレクトロニクスデバイス等の高性能化が必須で、さらにデバイスを組み込んだ電子回路設計やシステム開発が必要です。本講座では、これらのデバイス作製に関する材料・技術の開発や、電子回路やシステムに関する研究を行っています。パワーエレクトロニクス分野本分野では、電力変換の際のエネルギー損失を大幅に低減できることから注目を集めているSiCパワーデバイスの性能向上に向けた研究を行っています。特に、現在問題となっている低いチャネル移動度を向上するための新しいデバイス作製手法の開発などを行っています。現在最先端の半導体集積回路(LSI)では、数億、数十億の基本トランジスタから構成されています。半導体デバイスシミュレーションでは、新デバイス開発の期間とコストの削減とともに、実測では不可能なデバイス内部の物理現象の解明を目標としています。本分野ではとくに、量子力学的な効果が無視できないほど微細化された基本トランジスタの物理モデルと数値シミュレーションに関する研究を行っています。また、超微細化に対応した新規構造のトランジスタや高効率化を目指した太陽電池のシミュレーションにも取り組んでいます。脱炭素社会を実現する新材料パワーエレクトロニクスの研究パワーエレクトロニクスとは、パワー半導体デバイスと電気回路によって、直流と交流を自在に変換する技術のことであり、脱炭素に向けて普及が進んでいるEV(電気自動車)のモータ制御などに必須の技術です。超微細化された最先端半導体デバイスの数値シミュレーションによる研究半導体デバイス分野■ ホール効果測定やデバイスシミュレーションにより、SiCパワーデバ■ 新しいデバイス作製手法を提案し、外部機関と協力してデバイス試作を行うことにより、高性能SiCパワーデバイスの実証を目指す研究■ 超微細化トランジスタの量子力学的シミュレーションに関する研究■ トンネルトランジスタや量子ドット太陽電池のシミュレーションに関する研究イスの性能を制限している欠陥の正体を明らかにする研究センサデバイスと集積回路による新規センシングシステムの研究様々なモノがつながるIoT*時代には、各モノが情報を取得するためのセンシング技術と、その取得情報を適切に処理する信号処理技術が非常に重要になります。新規機能性電子材料の探索と応用デバイス回路分野機能材料分野本分野では、IoT時代に必須の小型センシングシステムを、センサデバイスから信号処理まで実際に試作して研究しています。このシステムは、自然界の特徴量を効果的かつ低消費電力で取得する半導体センサデバイスと、その取得情報に合わせて信号を増幅・フィルタしデジタル値に変換するアナログフロントエンドと、そのデジタル信号から実体を認識する機械学習*アルゴリズムにより構成されています。これらを通して半導体や情報処理の実践的な知識が身に付きます。*IoT:Internet of Things *機械学習:データを分析する方法の1つ高性能な電気電子システムを実現するためには、新規機能性電子材料の創製や電子デバイス開発が不可欠です。構成元素や内部微細構造を制御することで作り出される、多種多様な電子材料には無限の可能性が秘められています。本分野では、強誘電体・圧電体で生じる物理的現象・効果に関する基礎研究、それらの現象・効果を積極的に活用した電子デバイスへの応用研究を行っています。同時に強誘電体・圧電体の単結晶、セラミックス、薄膜、厚膜、ナノ粒子等の作製プロセスの研究も行っています。■ 半導体技術とAIを用いた匂いセンシングシステムに関する研究■ 半導体技術を用いた足裏荷重センシングシステムに関する研究■ 交流分極処理による圧電単結晶の高性能化とそのメカニズム解■ ランガサイト系圧電単結晶を用いた高温環境動作可能な燃焼圧析、および医療用超音波プローブ応用に関する研究センサ作製の研究39電子デバイス工学講座

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