環境・社会基盤工学科 46 Environmental and Civil Engineering47Environmental and Civil Engineering33社会基盤工学講座准教授 立花 潤三社会基盤工学講座准教授 兵動 太一リポートリポートマルチエージェントシミュレーションを用いた橋梁の維持管理優先度評価(富山市)地盤改良には周辺地盤に影響を与えない浸透固化処理工法を採用しています。細粒分を含む砂地盤にはセメントミルクを注入することが困難なため、粒子を細かく粉砕した極超微粒子セメントを使用しました。佐賀県唐津市で現場実験を行い、細粒分を含む埋立地地盤でも注入できることが確認できました。引き続き、本工法の適用範囲を広げるために研究を続けます。尚、この研究の一部は国土交通省建設技術研究開発助成制度の助成金で行い、研究成果は英国 ICE の Telford Premium (Journal Prize for best paper in journal), ICE Awards 2017 に選ばれました。極超微粒子セメントの顕微鏡写真 浸透固化処理工法の出来高(佐賀県唐津市における現場試験)我が国地方部では、急激な人口減少、高齢化、地球温暖化への対応など様々な課題を抱えています。本研究室ではこれら諸問題に対して、数理計画を適用し環境的、経済的に持続可能な社会の形成のための方法論の開発と社会実装に関する研究を行っています。地方部の生産年齢人口の減少は、自治体財源の縮小に繋がり、自治体が抱える様々なインフラの維持管理及び行政サービスの効率化は喫緊の課題です。インフラ維持管理の効率化においては、その優先順位を明確にすることが必要です。私の研究では、マルチエージェントシミュレーションを用いて、地域住民から見たインフラ施設の重要度を数値化し、インフラ施設の維持管理優先度を明らかにしています。また、通勤行動や買い物行動を表すシミュレーションモデルを構築し、市街地の活性化戦略や地域のカーボンニュートラルへの道筋を検討しています。2018 年に発生したインドネシア・スラウェシ島地震では液状化が原因で多くの犠牲がでました。日本でも対岸の火事ではなく対策が急務です。液状化対策のための能率的かつ効果的な方法の提案を目的とした研究を行なっています。液状化は①緩い砂質土地盤、②飽和している(地下水位が浅い)、③ある程度以上の地震動、の3つの条件が重なった時に起こります。液状化対策は①②を克服する必要がありますが、近年では緩い砂地盤でも液状化が起こりにくいと言われている細粒分を含んだ地盤でも確認され、この様な地盤への適応は難しいのが現状です。そこで細粒分を含む地盤においても地盤改良を行える様、原位置や室内で試験を行い、データの蓄積をしています。研究分野都市・地域計画、環境・エネルギーシステム研究内容私の研究のポイント研究分野地盤工学、液状化対策、地盤改良研究内容私の研究のポイント地方自治体における持続可能な社会の形成細粒分を含む地盤における地盤改良
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