生物工学科 Biotechnology・ アルドキシム-ニトリル代謝経路上の酵素を中心に新規酵素の探索および生物学的意義の解明・ 産業上重要なニトリル化合物およびその派生 化合物の生産に利用アルドキシム-ニトリル経路・ 医薬品の合成ステップに酵素反応を導入する ことで危険物の使用を低減・ 微生物と植物由来酵素を組み合わせることで 高価な糖供与体の使用量を最低限に酵素を用いた合成法・ 植物由来多糖類に不斉触媒機能を世界で初めて 発見・ >100℃で処理しても活性維持・ 100 kg超の光学活性医薬中間体の製造が可能36酵素化学工学講座教授 加藤 康夫酵素化学工学講座助教 山口 拓也リポート微生物や動・植物から新規な化学反応を触媒する酵素などの生体触媒を探索し、有用な物質の生産に利用します。有機化学を基盤とした酵素タンパク質の生化学的解析や生物の持つ物質代謝経路の解明に加え、ゲノム情報や立体構造情報に基づいたタンパク質工学研究などを行っています。これらの結果を基にして、生物機能を活用・改変した医薬品、食品素材、化成品などの新規かつ環境に優しい合成・生産プロセスの開発を進めます。 酵素などの生体触媒を用いる物質変換法(*)は温和な条件下で行われ、環境に優しく持続可能な社会形成に役立ちます。私達は新たな生体触媒を見つけ出し、その機能を有効に利用し、環境調和型の物質生産プロセスを開発することを目標としています。この目標の達成のために、有機合成した化合物を用いた独自のスクリーニングによる新規生体触媒の探索、X線結晶構造解析による酵素立体構造の決定、分子進化工学や合理的設計に基づく酵素改変、酵素法と化学合成法の融合による有用物質生産など、実践的な研究を進めています。微生物、植物および節足動物由来新規酵素の探索と利用法の開発糖尿病治療薬合成プロセスへの酵素反応導入植物由来有機分子触媒の開発研究分野酵素化学、タンパク質工学、応用微生物学、有機化学研究内容私達の研究のポイント49有用物質生産のための新規生体触媒の開発ー生物機能を活用した環境調和型プロセスの構築ー
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