医薬品工学科 点眼血管内注射老化した網膜光線力学療法若返った網膜脂質結合タンパク質・ペプチド脂質二分子膜10 nmPharmaceutical Engineering生物模倣・超微細加工技術を活用した次世代医療材料44リポートリポート製薬化学工学講座教授 村上 達也生理活性分子吸収促進・ターゲティングペプチド製薬化学工学講座教授 竹井 敏天然かつ最小の脂質ナノ粒子(LNP)・抗動脈硬化作用(脂質代謝促進・抗炎症・抗酸化・血管保護・炎症誘導血管新生阻害)組換えタンパク質もしくは合成ペプチドと各種脂質で再構成可能マイクロ流路による高収率(>90%)連続生産が可能(国際特許出願済)私たちの研究室では、HDLと呼ばれる天然の生体ナノ材料を元にして点眼剤・注射剤を設計・作製しています。生化学、薬剤学、光化学、細胞生物学の知識を駆使して研究しています。老化した網膜を若返らせること、視力を回復させることが目標です。HDLは血中に存在します。このHDLを試験管内で改変し、眼表面という異所に投与(点眼)すると、目に良い作用を示すことを発見しました。さらにこの改変体に薬物を搭載させて点眼すると、その作用は増強されます(国際特許取得済)。つまり私たちの開発したHDL改変体は、目の健康を保つための点眼剤として働くのです(Suda, K. et al., J. Control. Release 2017, 266, 301; Fukuda, R. et al., Adv. Therap. 2023, 6, 2300186)。最近では、色素と組み合わせて、光線力学療法用注射剤の開発も行っています(国際特許出願済)。京大病院眼科と共同で、これらの研究成果を元にした医薬品開発を行っています。超撥水・防汚れ・血液付着防止材、綺麗に分けれる高性能フィルター、異物が詰まりにくいカテーテル、痛くない注射デバイス・マイクロニードル、ガラス転移温度を人肌にした材料、生物模倣を活用した抗菌・接着材及びオルガノイド・人工臓器をチップ上に再現する材料産業界から要望のある新製品の実用化を目的として、国内外との協業により、民間や海外機関で 27 年間研究開発を続け、知的財産権を70件以上取得しました。シンガポール、ベルギー、マレーシア及び米国での客員教員・国際交流・共同研究・駐在経験を活用し、大型プロジェクトの獲得や海外での製品化・実需化の経験により、ナノ加工法を工夫して、我が国の企業の課題解決と高付加価値新製品の創出を加速しています。世界に通じる工学人を育てるため、指導学生に国際会議での発表や短期留学を体験させています。学生への旅費支援によって充実した研究ができ、ステージの異なるトップレベル人材と国際交流することで、楽しさ・成長できる環境を提供しています。また、民間企業での開発実績による社会人博士号の取得をサポートしています。研究分野生物化学、薬物送達学研究内容私の研究のポイント研究分野ガス透過性金型、水溶性レジスト、微細射出成形、EUVリソグラフィ、インプリント研究内容私の研究のポイント5758 Pharmaceutical Engineering薬物送達システムの開発ナノ・マイクロ表面加工によるライフサイエンス・ヘルスケア機能材
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