n66教養教育センター 検査方法75 Liberal Arts and Sciences76 Liberal Arts and Sciences54教授 岡本 啓准教授 齊藤 陽子心電図や動脈血酸素飽和度をモニターしながら、テント内で自転車運動を行います。リポート立山室堂周辺ヘモグロビン(g/dl)14.9±0.9186±3416.6±0.5**132±32リポート表.血液性状の変化(24週齢)常圧対照群低圧曝露群平均値±標準偏差 **p<0.01低圧曝露により脂質酸化が亢進する一方、糖質は組織への取り込みが促進して、糖質利用が抑制されている。(*)低圧室内で飼育中のラット血糖値(mg/dl)血漿遊離脂肪酸(μEq/l)544±1881082±278**高所環境を利用した身体のコンディショニングやパフォーマンス向上のための高所療法および高所トレーニングの生理学的研究を行っています。富山県は立山連峰を有し、国内では貴重な標高 2,000m 以上の地形を利用した医療や運動が可能な地域です。健康増進や体力増強に対して、このような高所環境を効果的に活用する可能性を追究するため、高所環境を模した曝露実験によって、生体内で生じる生理学的な反応と環境適応に関する基礎的な研究をしています。心血管疾患の早期予測マーカーである血管内皮機能(血管拡張能力)は加齢により低下しますが、有酸素運動により改善します。しかし、女性ホルモンが欠乏する閉経後女性においてはその効果が立証されておらず、私は疑似高所(低酸素)の運動環境がそれを補填できるかどうか検討しています。女性ホルモンは心血管の保護や酸化ストレスの消去作用がありますが、閉経後にはその恩恵を受けることができなくなるために、心血管疾患をはじめとした種々の疾患リスクが高まります。こういった研究を通じて、できるだけ薬に頼らない改善手段の一つを提案できるようにという思いで研究に取り組んでいます。富山県は立山をはじめとする自然環境に恵まれています。この研究は実験室環境で実施していますが、将来的に自然高所での効果を立証できれば、富山県における地域資源の有効活用や健康産業への発展につながるのではないかと期待しています。研究分野環境生理学、運動生理学研究内容私の研究のポイント研究分野運動生理学研究内容私の研究のポイント4 週間の低圧環境(標高 2200m 相当)曝露の影響疑似高所環境を作り出す低酸素テント標高6,300mまでのシミュレーションが できる 装 置で す が、私 は 標高2,500mで実施しています。血管内皮機能検査動脈硬化の早期進行リスク予測に有効な検査として知られており、血管拡張の程度を超音波画像診断装置で評価します。健康・体力の増進に環境や運動が及ぼす影響低酸素環境下での有酸素運動は閉経後女性の血管内皮機能 を改善できるか?
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