富山県立大学 研究室ガイドブック2025 工学部・情報工学部
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教養教育センター (*)日本列島のダイモンジソウは、生育環境に応じて葉などの形態等に変異があります。高山型と 2 つの渓流型はそれぞれ各地域で平行進化 していることがわかっています。93 Liberal Arts and Sciences94Liberal Arts and Sciences林床高山帯標準型高山型河川生育環境ごとに異なる光や水環境などへの適応が、多様な形態の進化をもたらしている。渓流型①矮小型図2 操作者視点のジェスチャー入力 図3 ARによるデジタル粘土“HASHI”63助教 孫田 佳奈ダイモンジソウの花教授 小林 一也リポート渓流型②島嶼型リポート図1 自由形状変形t-FFDと  その応用 (形状融合)地球上の様々な環境への適応は生物の進化に重要なプロセスであり、生物がもつ多種多様な形や性質の進化を促してきました。生物多様性の理解をするために、植物を対象として適応進化機構の解明を進めています。日 本 列 島 に は 幅 広 い 気 候 帯 が 存 在 し、ま た 狭 い 範 囲 に3000m 級の山々があることで複雑な地形が形成されています。このような多様な環境によって、多くの植物が適応進化してきました。種がたどってきた進化プロセスを解明するために、DNA の多型情報を用いた解析を行っています。併せて、光環境と光合成に着目し、異なる光環境(明所と暗所)に生育する植物の生存戦略を明らかにすることを目指しています。本学で独自に開発した自由形状変形 t-FFD(図1)、操作者視点のジェスチャー入力(図2)、ARベースのデジタル粘土 (図3) を使い、容易な操作でアイディアを素早く3次元形状に具現化するシステムの実現を目指します。また製品モデルデータ交換の国際標準 STEP(ISO 10303)の開発・審議に携わっています。t-FFDは、少ない入力操作で複雑で滑らかな変形結果を提供します。二つの形状を融合する応用も可能です(図1)。操作者視 点 の ジェ ス チ ャ ー入 力 は 、市 販 の ゲ ーム 機 の入 力 装 置 (Kinect2)とプロジェクタ画面で構築できます(図2)。高価なVR機器に頼ることなく、3次元形状を両手で変形する操作を可能にします。デジタル粘土は、実物の粘土と同じような造形感覚を目指し、AR(人工現実)を用いて,直観的なモデリングを追求します (図3)。研究分野生物多様性学、系統進化学、植物生理生態学研究内容私の研究のポイント研究分野形状モデリング,CAD/CAM,製品モデルデータ交換 (STEP)研究内容私の研究のポイント植物の適応進化機構の解明自由形状モデリングの応用

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