データサイエンス学科(*)シャープレイ値(Shapley, 1953)は、異なるスキルを持つエージェントが共同で目標を達成する際に、それぞれの貢献度を評価する手法である。これは、分類や回帰分析、ランダムフォレストの解析などのタスクに適用する。また、プレイヤーは製品や投資家などの様々な要素を表すことができる。この手法は、経済モデル、製品分配、調達、マーケット分析、損害賠償計算、空港設計など、幅広い分野で応用する。Data ScienceData Science68システム数理学講座准教授 松本 卓也システム数理学講座准教授RENE. Antonio Oliveira Nzinga(レネ アントニオ オリヴェイラ ズィンガ)リポートリポートLiDAR点群処理による車両検知東南アジアなどの超過密走行する二輪車は、現在の高性能な画像処理AIによっても全台を正確に識別することは困難です。その解決のため、2次元LiDARによって得られた点群処理を用いた道路交通計測方式を開発し、1万台/hの密度で走行する二輪車を高精度に検知できました。現在はさらなる発展のため、点群処理AIによる高度な車両検知システムの開発を進めています。道路トンネル火災の安全性検証道路トンネル火災の安全性の検証のためのCFD を用いた火災シ(*)ミュレーションと、避難モデルを組合せたリスク解析 を行い、安全性の検証・確認を行いました。最適化・シミュレーション・機械学習を社会システム(交通インフラ等)に応用し、システム論的問題解決手法で社会に貢献するとともに、データ駆動とモデル駆動の融合したシステム論の構築を目指します。センシング・シミュレーション・機械学習・最適化アプローチによって、交通システムなどを対象としたシステムの評価・改善をします。対象とするシステムとして、LiDAR(*)を用いた高速道路走行車両センシングや、道路トンネル火災時の煙動態の物理シミュレーションと避難の検討、道路交通インフラのトリアージのためのマルチエージェントシミュレーション、災害時の避難物資配分・輸送システムなどがあります。ビッグデータ利活用における OR による最適化や IoT におけるサービス科学によるメカニズム・デザインを研究しています。ゲーム理論を応用したプレイヤー間の提携により獲得された報酬の合理的な分配にも取り組んでいます。意思決定のために利活用できるデータ使用量の増加に伴い、サービス業界の現実の問題を解決するためには、効率的なモデルの適用が必要です。そのためには、R&D の考え方が重要となります。サービス科学では、産学での共同研究も通じて、学際的なデータ駆動型アプローチに則りモデル化することで、一貫性のある戦略的な政策決定のために管理者を支援する意思決定ツールが求められています。研究分野シミュレーション、数理最適化、点群処理、交通システム研究内容私の研究のポイント研究分野数理情報学、OR、経営システム、サービス科学研究内容私の研究のポイント101102交通システムへのデータ/モデル・アプローチ計画数理による最適化とメカニズム・デザイン
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