データサイエンス学科(*)(*) の神経系は、わずか 302 個のニューロ線虫 C. elegansン(*)から構成され、シナプス(*)接続の詳細が解明されている有用なモデルシステムです。これまでに私たちは、線虫の学習に関与する神経活動や、神経回路内でノイズを生成するニューロンの存在を明らかにしてきました。現在は、感覚入力のない状況で生じる自発的な神経活動パターンや、生体応答の確率性に着目し、脳型コンピューティングを見据えた研究を進めています。(*)(*)(*)(*)(*)(*)(*)(*)(*)(*)(*)Data ScienceData Science69リポートリポートシステム数理学講座助教 松山 裕典システム数理学講座助教 髙野 諒時間経過で変化する関数の最大化において、変化を 「 関 数 値 の 増 減 」 と「ピークの移動」という2種類の変化に分類し、それぞれに対する変化への追従メカニズムを設計しました。(左図)俯瞰図:ピーク追従の様子(*)これらの追従メカニズムを組み込んだ人工蜂コロニーアルゴリズムによって群れが小集団に分かれて複数の移動するピークを追従できるようになりました。(右図)関数の形状生き物の知覚や行動は,脳における複雑な神経ダイナミクスによって生み出されています。私は,比較的単純な神経系をもつ線虫をモデルとして、実験と数理の両面から脳の作動原理を明らかにすることを目指しています。群知能を用いて様々な最適化問題を効率的に解く方法の設計とその分析をしています。群知能に基づくアルゴリズムにより今まで解けなかった問題が解くこと、既存のシステムをより効率的に運用できることを目指しています。自然界にはアリやハチのように複数の個体が集まる習性の生き物が多くいます。これらは群れを作ることで、単体ではできないことができるようになります。例えば、アリは隊列を作って自分たちよりも大きなエサを巣まで運ぶことができます。このような集まることで大きな働きができる仕組み、群知能をコンピューターの中で再現し、時間経過で環境が変化する動的最適化など特殊な問題での性能向上のために研究を取り組んでいます。動的最適化のための群知能アルゴリズムの設計研究分野システム神経科学 行動生物学 非線形物理学研究内容私の研究のポイント研究分野群知能、進化計算 、動的最適化研究内容私の研究のポイント103104小さな虫の神経系からさぐる 脳の作動原理と数理群知能 を用いた最適化アルゴリズムの設計と分析
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