富山県立大学 研究室ガイドブック2025 看護学部
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88 7Nursing Science and PracticeNursing Science and Practice研究分野基礎看護学:感染看護、感染予防、技術教育研究内容私の研究のポイント研究分野基礎看護学:看護技術,看護倫理,コミュニケーション,      緩和ケア研究内容私の研究のポイント基礎看護学講座2准教授     三善 郁代基礎看護学講座2講師     大賀 由花リポートリポート<REPORT リポート>東京大学大学院上廣死生学・応用倫理講座:臨床倫理プロジェクト,https://www.l.u-tokyo.ac.jp/dls/cleth/ckd/index.html看護援助場面の参加観察蛍光塗料を用いた汚染状況の確認熟練看護師による床上での一連の看護援助場面を参加観察およびVTR撮影をし、その手順や方法、汚染の広がりについて記録します。手指衛生と手袋交換の実施率を算出し、看護師の手指が触れた環境表面の種類を明らかにします。また、熟練看護師の援助中の視線解析を解析ソフトTobii Pro ラボアナライザー(トビーテクノロジー社製)を用いて行います。看護援助場面で生じる汚染を蛍光塗料を用いて可視化します。援助終了後、ブラックライトにて療養環境への蛍光塗料の付着部分の確認を行い、写真撮影をします。蛍光塗料の付着面積を算出し、汚染状況の分析を行います。東京大学大学院上廣死生学・応用倫理講座:高齢腎不全患者に対応する医療・ケア従事者のための意思決定支援ツール 第1章,P.6,https://www.l.u-tokyo.ac.jp/dls/新型コロナ感染の経験からも、標準予防策(*)の遵守の重要性が浮き彫りになりました。看護基礎教育の段階から、目に見えない微生物を意識した感染予防の技術が定着することを目指し、教育教材の開発に取り組んでいます。これまでの感染看護の教育経験から、学生や新人看護師などの初学者にとって、目に見えない微生物を意識した感染予防に関する技術教育がいかに重要であるかを実感しています。 そのため、蛍光塗料を用いて看護援助場面で生じる汚染を可視化することや、看護援助に伴う療養環境の汚染と看護行為の関係を明らかにしています。また、熟練看護師による看護援助中の視線解析を行い、具体的な感染予防行動やその意図を明らかにしています。高齢腎不全患者の特徴(frailty等)から,保存的腎臓療法が勧められる事例があります。この時必要となる緩和ケア,意思決定支援の考え方(ACP),具体的な方法論に関する教材の開発を行っています。日本医療研究開発機構(AMED)(研究代表者:柏原直樹氏)の研究班に研究協力者として参加し,「高齢腎不全患者に対応する医療・ケア従事者のための意思決定支援ツール」等の教材の開発に携わりました。その結果、保存的腎臓療法を希望する事例等に対応する具体的実践により,緩和医療・ケアとACPの重要性が示されました。一方,ACPの方法論によっては精神的苦痛を伴う可能性が懸念されています。そのため「安寧と満足をもたらすACPの方法論(関係性・ケアリング・祈り等)」に関する教材を開発しています。感染予防の技術教育に関する教育教材の開発高齢腎不全患者に対応する緩和ケア教材の開発

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