17Nursing Science and Practice18Nursing Science and Practice研究分野成人看護学:エンドオブライフケア(*)、グリーフケア研究内容私の研究のポイント研究分野幹細胞(*)生物学;腫瘍生物学;神経発生学研究内容私の研究のポイント13成人看護学(慢性期)講座教授 比嘉 肖江成人看護学(慢性期)講座准教授 杉森 道也リポートリポート緑に囲まれたジャカルタ・イスラーム病院(RSIJ)特別病棟のテラススピリチュアル・ケアワーカー(Rohaniawan)との打ち合わせジャカルタ・イスラーム病院の医師らとのウォーキングカンファレンス私たちの実験系は、 再発起源となる細胞の薬剤抵抗性を切り分けることができます。遺伝学的背景による抵抗性は、薬剤の初回投与から抵抗するし、休薬期間を設ける隔世代投与によって再感受性を示しません。 一方、動的可塑性による抵抗性は、休薬期間を設けない2世代連続投与では抵抗性を示し、隔世代投与では再感受性を示します。このように動的な可塑性を用いて、腫瘍細胞はしたたかに生存します。これまで死別による悲嘆は、通常の反応であり病気ではないと捉えられてきました。現在は、ICD-11やDSM-5において疾患(遷延性悲嘆症)と認められ、悲嘆症へのケアが求められています。スピリチュアルウェルビーイングとは、「人生の意味と目的を、自己・他者・世界・自分より大きな力とのつながりの中で統合するパターン」のことをいいます(NANDA-I,2021)。これまで、インドネシア共和国ジャカルタ・イスラーム病院をフィールドに、スピリチュアルウェルビーイングの調査研究を行ってきました。現在は、その調査研究を基に、エンドオブライフケアと医療者のグリーフケアの研究を行っています。グリオブラストーマ(*)は治療に抵抗する再発する悪性脳腫瘍です。再発起源となる細胞は動的に状態を変化させ、治療に抵抗します。この変化する能力(動的可塑性(*))を制限することで、再発を抑える治療法を開発します。私は、グリオブラストーマの再発起源となる細胞が治療抵抗性(*)を獲得し、後に失うことを示しました。これにより、“変化する抵抗性”を生み出す能力:動的可塑性を主張しました。今後、動的可塑性を司る分子経路を解明することで、新たな抗がん創薬に繋げます。さらに動的可塑性を制限することで、放射線・化学療法(*)の抵抗性を克服する長期コントロール療法を創造し、悪性腫瘍の治療戦略にイノベーションを引き起こします。悲嘆とスピリチュアルウェルビーイングの関連性悪性腫瘍の動的可塑性を生み出す分子基盤の解明
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